みた、こと。きいた、こと。

合言葉はSite Seeing

業務連絡のフロー。

新人がふと疑問に思ったらしい。
『あの〜、業務連絡ってイントラに載ってるあれですよね。なんか、自分が何をすればいいのかよく判らないんですけど』
あ、すごい。この素朴な疑問はすごい。そう、それは今の会社というか社会の一つの問題だと思ってる。

昔、今みたいにイントラなど無かった時代。会社の伝達路はある意味でハッキリしていた。会社が決めた方針や、業務上の連絡は、各担当者に直接行くルートは(例外的にはもちろんあったとしても)なく、全て上司を経由するトップダウンにて行われていた。
この為、上司が『全員がやる必要があるもの』『担当者を決めてやる必要があるもの』『特に連絡しなくてもいいもの』を選択し、自分でコントロールしたり、部下に指示を出したり、あるいは無視したりしていた。これにより、部下は会社の業務連絡で(上司の伝え忘れというリスクはあったが)やることに困るようなことは無かった。
今、合理化が進み、会社のイントラは『誰でも』『いつでも』見られる時代になった。
上司を経由しない情報が、フィルタリングされずに全社員に通知される。誰が何をすればいいのかは、文章内に『対象者』として書かれ、期日が設定してあるものも文章内に『いつまで』と書かれている。全社員が、全ての情報を見て、自分で判断することを前提にフロー化されている。
自習型のe-Learningなどは別として、誰かが取りまとめて『コントロールする必要のあるもの』については、それが『誰か』を決定する人(もちろんそれは上司に他ならない)を経由しないで末端に届く。することは判るが、自分の立ち居地がわからなくなる。立場的にも自分で判断を下すことができない人は、自分が何をすればいいのか当然わからない。考えなくてもいい事を考えなければならなくなる。
経済、流通を考えれば、間に介在するものが無ければないほど効率的である。
だが、情報伝達、業務連絡においては、決してその限りではなく、間に介在するものがあることが、重要になることもある。*1 *2

*1:もちろん、情報伝達において中間が多く存在することは、情報の劣化や変化、停止が起こるリスクは存在するので、決してトップダウン型や経由する人が多いこと、それを全面的に肯定するものではない。プロセスが増えることにも繋がるし。

*2:ついでにいえば、全社員が全情報を見ることは、全社員分の時間が業務上発生することになる為、フィルタ化されているよりも効率化が図れているか?という意味での問題もある。そこは考え方、方針上で整理する問題だけど。