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GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊

GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊 [DVD]
「世界の映画に影響を与えた日本のアニメ」を挙げると、「AKIRA」と並んで必ず登場すると言われているのがこの映画だと思う。そのクオリティーの高さはもちろん、扱っているテーマの崇高さは他を寄せ付けないオーラを放っている作品だと思う。

いまさらこの映画のストーリーを紹介しても仕方がないので、この映画の個人的に気に入っているシーンをいくつか書いておきたい。

ハッキングを手伝わされるために存在しない家族の記憶を植えつけられた清掃員が、本当のことを知るシーン。最初にあの説明を聞いた時に、なんともいたたまれない気持ちになった。記憶という物は、かくもあいまいで不確実であるにもかかわらず、自我を形成するためにとても大きな影響力を持っているという事実に恐怖を感じた物だった。今、見ている物や感じているコトは本当に自分の記憶なのか?いや、記憶には違いないが体験したコトなのか?その証拠はいったいどこにあるのか?それを考えた時に、この映画の「GHOST」という根深いテーマの奥底を知った気がしたのだ。

ラストの装甲車との戦い。もう、戦力的に絶対的不利にも拘わらず、しかも仲間のヘリも去って援護が期待できない状況で戦闘を投げずに自らの体が壊れるまで(文字通り死ぬ気で)戦う「素子」の姿というのは、他の映画では見られない迫力だ。普通の映画ならあそこで絶対に勝っちゃうもの。そして、仮に負けるんだとしてもああいう負け方はしないもの。あそこは何度見ても背筋が凍る程のインパクトを私に与えてくる。

もともとあまり興味がないジャンルなのでとって付けたかのように言うが、音楽の使い方も凄いと思う。無謀ともいえる戦いの中で神々しい雰囲気を出しているのは間違いなく音楽の力だし、各シーンごとに挿入されている音楽もその場の雰囲気を決定付けている力強さを持っている。


とか言いながら、実はこの映画の背景の世界観はあまり詳しくない。だから登場する要人達がどんな立場の人たちで、どういう風に政治の世界が動いているのかいまいち判っていないというのが正直な所だ。えへへへへ。あと30分ぐらい使ってそのあたりをもっと説明して欲しいな〜とか思ったりもするんだけど、アニメ映画で30分作るのが、如何ほど大変なことなのか?を考えるとそれは無理だよな〜という気もしなくもない。

で、なんでこの映画をいまさら持って来たのか?といえば、先日「イノセンス」がTVで放送されていたからだ。という訳で、明日はそれについて書きたい。一度でいいから、「バトーを罵倒する」とかギャグをかましてみたい。誰に?