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ブレーキ・ダウン

ブレーキ・ダウン [DVD]
見終わった直後の感想は「疲れた・・・」だった。

この映画のストーリーを一言で表すと「旅行中に誘拐された妻を助けるために死闘する夫の物語」である。で、済んでしまうほど単純な話で最初から最後まで「こういうパターンはどっかで見た気がする」と思うカーアクション、サスペンスの定番中の定番な展開である。

まぁ、映画としてみた場合には面白かったんだけど、なんか全体を通してハチャメチャ!って気分。

それにしてもどうしてアメリカ映画っていうのはこういう「砂漠のど真ん中で事件に巻き込まれる」っていう設定が多いんだろうと疑問に思った。それだけ事件が多発してるって事か?怖いなぁ・・・。

もう少し具体的な映画のストーリーを(未来の自分のために)書いておく。

強引な夫に愛情が冷めてきた夫婦。関係修復のつもりで出かけた長距離の旅行だったが、その途中で不注意から事故りそうになったトラックの運転手に因縁をつけられてしまう。ゴロツキっぽい彼らから逃げるように車を走らせる夫婦だったが、運悪く車のトラブルに見舞われて立ち往生してしまう。そこに追いついてきたトラックだったが、後から来たトレーラーに夫婦は助けられ、炎天下の砂漠に夫を置いて、妻は先にトレーラーに乗って助けを呼びに行く。しかし、彼女は帰ってこなかった。彼女はどこに消えたのか。そして、またあのトラックが妻を捜す彼を狙って戻ってきた・・・。


かな?ちょっとネタバレを意識したんでニュアンスが違ってしまったけど。

映画の質的な話をすると、サスペンスもアクションも結構良く出来ている。最後まで「ハラハラ・ドキドキ」は続くし、予想のつかない(と、一般的に言われる)展開を見せる。でも、こういう映画を見ていると一番率直な感想として出てくるのは「ありえねぇ〜」だし、「俺には絶対無理だわ」である。

素朴な疑問なんだが、これを見た欧米人はどう思うんだろうか。やっぱり「やっぱりこんな風に家族は助けなくちゃな!彼はヒーローだっ!」とか「犯人はひどいヤツだ。夫は偉いっ!」とか思うんだろうか。もっとも、これは男性の話であり、女性は「やーん!夫が素敵〜。ここまでされたら、私は一生尽くしちゃうわ」とか「愛を感じるわよね。野性的で激しい所も頼り甲斐があってシビレル〜ッ」とか思っちゃうんだろうか。

私が日本人だからなのか、単に情けない(頼りない)男だからなんだろうか、どうにもこの映画を見てもそこまでの感情は沸きあがらない。なんでそんな行動とるんだよ!無茶だよ無茶!他の方法考えろよ!とついつい心の声が反対をしてしまうのを感じる。


まぁ、映画を見ながら「自分ならこうするかな?」といくつかのパターンを考えてみたんだけど、その行動をとると明らかに「あ、俺は死んだかな」と思ってしまったりするんだけど、その辺りが私の限界なんだろう。ヒーローには成れないかも。いいです、凡人で。

ついでに言えば運良く次々と「アイテム」が手に入ったり、無くしたりする感じは、どこかゲームを見ているような感覚すらある。もっとも、銀行で手に入れていた栞の様なものは何に使ったんだか良く判らなかったけど・・・。

最後に一言だけ追加して言うが、被害者の夫婦が一番かわいそうという事はもちろんなんだけど、「家に居た奥さんと子供も結構かわいそうくない?」とか思っちゃったりもする。特にストーリー上、置いてきぼりになっている感じが。

どちらにしろ、個人的には後味が悪かったな。とてもハッピーエンドとは言えない気分でした。まる。