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契約と約束 (4)

一方、「約束」の方は「契約」の場合とは違うストーリー展開となる。

たとえば、「めぞん一刻」は「約束」をテーマにした物語と言えるだろう。ストーリーの端々で五代君と管理人さんは様々な「約束」を交わすが、それが果たされないすれ違いによる感情と状況が変化するハラハラした展開を楽しむものだ。そして、クライマックスで響子さんが放つ「お願い・・・一日でいいから、わたしより長生きして・・・」なんてセリフに至っては、2人をこれからの未来を髣髴とさせる素敵な「約束」の言葉だ。もう、何度泣いたか判らない。

アニメになるが、「ルパン三世 カリオストロの城」も、1つの「約束」の物語だと思っている。え?どこが?と思う人がいるだろうが、劇の最後、銭形警部のあの名台詞の直前で、ルパンはクラリスと1つの約束をしている。「あ、そうだ。困ったことがあったらいつでも言いな。おじさんは、地球の裏側からだってすぐ飛んで来てやるからな」と。だが、その約束は一度も果たされることはなかったハズだ。そして、クラリスもその約束を使おうと思うことはなかった。

例と出したものは少ないが、ここまで並べて私が言いたいことが少し判っていただけただろうか。

「契約」と「約束」は物語においてあきらかに違うものだ、と。