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契約と約束 (3)

もう少しマンガの作品をいくつか例として出しておこう。「契約」について。

たとえば、「エリア88」は「契約」をテーマにした作品だ。最初の内だけは。自分の意思とは無関係に契約をさせられ、傭兵として戦地で生きるために戦う一人の男、風間真が主人公である。契約は絶対的なものとして存在し、そこで苦悩する物語が展開する。契約を守れなければ死だ。そこには絶望的なまでの壁が存在し、守ることが当たり前なものとされてしまう。

たとえば、「最終兵器彼女」も同じ様に「契約」をテーマにした作品だ。良く判らない内に改造されてしまう彼女、ちせ。けなげにも契約として自分の仕事、義務を守り続けるが、それによって更に自分達が追い詰められていくことに気付き、反抗したりもするけど、結局は契約を通り越して改造されちゃっているんでもう元には戻れないっていう切なさの方がツライワケですけど。契約を守らないと生きていけない体。

どちらも戦争をテーマにしているという点で、生死をかけるという極端な例ではあるが、もともと「契約」っていう存在は、それぐらい強力にストーリーを拘束するものだ。

いや、逆に言えば「契約の種類でお話の内容が決まる」と言い切ってもいいぐらいだ。


上記と異なる契約のマンガを例に挙げるとすれば、「ゴルゴ13」や「ブラック・ジャック」などもそうだろう。ただ、これは短編として契約が初期化されるようになっており、結ばれた契約については守ることが当たり前でなければならないが、彼らには契約を結ばない権利、選択肢があったりする点が、作品としてのひとつの特徴になっているとも言えるだろう。