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となりのトトロ

となりのトトロ [DVD]
ジブリ作品を順番通りに紹介して行くと、ラピュタの次は「となりのトトロ」だ。同時上映的には「火垂るの墓」なんだけど、レビューは別に同時公開しません。っていうか、出来ません。

さて、今から丁度20年前の作品で、そう考えるとすごい前!って感じがするんだけど、今でもアクセサリーショップなんかではトトログッズは他のどの作品よりラインナップが充実しているし、人気も高い。こりゃまたすごいことだ!と思わざるを得ないんだけど、私的には正直言うとそれ程盛り上がってない作品。嫌いってワケじゃないんだけど。

そんなワケで、作品のレビューじゃなくてどっちかというと自分の思い出話を書いてみる。だってほら、まともなレビューは沢山あるわけだし。今更だし。

となりのトトロ」という作品は、たぶんというか、たしか2回しか見ていない。ラピュタとは明らかに対照的な回数だ。ちなみに、同時上映だった火垂るの墓は二桁こそ行ってないけど、7〜8回は見ている気がするので、そういう意味でもトトロを見た回数は極端に少ない気がする。

そもそもなんで?って話になるんだけど、それには深くもない浅い話がある。

この頃、私的にはもうある程度多感な時期を過ぎていた時代だった。主人公の2人の女の子「サツキ」と「メイ」は私にとっては既に年下で、では自分の子供時代とダブったか?というと、それについてもさほどでもなかった。

だが、最後まで見れば話は違ったんだろうと思う。きっと感動したんだと思う。だけど、映画館で見ずにTVの初放送で、興味深くリビングで大人しく見ていた私にとって不幸な出来事が起こった。

停電だった。

番組の丁度真ん中ほどを過ぎた頃だ。メイが飛び出してサツキが探しに行く辺り。これからクライマックス!という一番盛り上がるであろう時間に、私が当時住んでいた地域では大規模な停電があった。街中が真っ暗になった。

そして、停電が復旧した時はTVの放送は終盤どころかエンディングの歌が流れていたのである。


おまえのそんな事情なんか知らねぇよ!


と思われるかもしれないが、これは私にとってある意味残念な結果だった。映画と言うのは、最初に出会ったときの感動はやっぱり2回目、3回目と繰り返し見るのに比べてとにかく大事なことなのだ。それがなければ、作品としての評価はハッキリと変ってしまうことにもなりかねない。よくある話で、映画館で見た時に「隣でポップコーンを撒き散らし、ジュースをすすりながら見ていた人が居たので、映画に集中できなかったよ。映画?いまいち面白くなかったな〜」というパターンに陥ってしまうようなものだ。あと、隣で泣いている人が居ると逆に自分が泣けなくなるとかそんな感じ。


そんなワケで、私は「となりのトトロ」になんら感動を覚えないままに出会いから別れまでをサラリと経てしまったのである。


しかも、中途半端とはいえなんとなく見てしまったがために、ある程度自分の中でも「すっげー見たいぃぃぃ!」という熱も冷めてしまったからか、そのあとのTV放送でも「あ、昨日やってたのか。」ぐらいの感じで全くチェックしていない始末。

正確には覚えていないけど5〜6年ほど前にやっと通しで1回見て、「なるほど、こういうラストだったのか」と知るに至ったのである。なんか、感動的と言うよりも感慨の方が深い感じだった。映画の中の世界を懐かしむというよりも、映画を見ていた自分の子供時代を懐かしむというかそんな感じ。なんか、感動の軸がズレテいた。


そんな経緯もあるからか、私にとっては「トトロ」よりも映画がはじまって直ぐに登場する「まっくろくろすけ」の方が大事な存在だったりする。千と千尋の神隠しにも出てきた時にはもう感動すら覚えた。ま、それはまた別のお話。


トトロと私の距離感は結構はなれたところにあり、この作品に関しては今後もそんな感じで行くんだろうな〜と思っている。何の参考にもならないだろうけど。


ってことで、この映画のレビューを終わる。いや、レビューじゃないけど。単に自分の思い出話だし。