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Shall We ダンス?

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親が昔見たらしく、「結構良かったよ〜」というので、TVでやっていたのを機会に見てみた。おお、結構面白い。

劇場ではリチャード・ギア主演のハリウッド版がやっているが、それは別の機会に(だれか一緒に踊ってくれそうな人と?)見に行くとして(いないか<一人ツッコミ)、やっぱり日本版は先に見ておいた方がいいもんね。なんとなく。

ハリウッド的な映画の場合、最初にものすごいインパクトで観客を引き付けてくる演出が一般的だ。それに比べ、日本映画は序盤がダラダラと始まる場合が多く、それが嫌いな人も少なくは無いだろう。この映画も例に漏れず最初はダラダラとした感じで日常から始まる。

だが、このストーリーが始まるまでの時間が結構重要であるという事も多く、実は見逃せない部分だったりするんだが、今回の場合は少し「あれ?」と最初に思った。どうにも主人公の役所広司さんがダンスを習い始めるまでの動機やキッカケがかなり薄いのだ。どうして?といった所が良く判らない。

でも、半分を過ぎたあたりからこの良く判らない感じが良く判ってきたのだった。当初聞いていた解説でも映画の中でも「女性講師に恋心を抱いて」みたいに説明していたが、そう考えると女性への想いの部分がかなり弱い。そもそも浮気をするような人ではないからだ。だが、この最初に感じた「あれ?」の部分は間違いではなかった。だって、きっと本人にも判らないまま始めてしまった・・・というのが正しいからだ。

物事を始めるのに、動機が必ず必要か?といわれたら、それはたぶん違う。きっと、この主人公も彼女が目当てでダンスがやりたかった訳じゃない。単に「なんとなく」家に帰りたくなかっただけなのだ。一人で飲みに行ったり、遊びに行くこともしない。家庭に不満があった訳でもないが、家に帰っても「自分」があるワケじゃない。日々の生活の中で生きていく目標を見失った時、自分がとる行動はやっぱり「なんとなく」なのだ。そこにハッキリとした動機なんてない。私が最初に感じた「あれ?」は、そういうことだったんだと思う。

ある意味、個性的過ぎるキャラクターたちに好き嫌いが出そうな感はあるが、全体的なストーリーはとても無駄がなくスッキリしている。ちょっとラストシーンは「出来すぎ!」な感じがする。個人的にはラストにももう少し奥さんと子供を絡めて欲しかった、と思う。本来帰る場所である「家庭」の部分はもう少し「暖かく」終わらせて欲しかった。


どうでもいいことだが、個人的には「珠子先生」がとても気に入った。なんといってもカワイイ。珠子先生がダンスを教えてくれるなら、私も習いたい!と思った。だって、やっぱり「楽しく!」が大事でしょ?どんなものでも。