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アイアン・ジャイアント

アイアン・ジャイアント 特別版 [DVD]
またアニメなネタで申し訳ない。でも、忘れないうちに書いておきたかったタイトルがこれ。見たのは何年も前だが、当時はいたく感動してDVDを買おうかと思ったぐらいだった。(無論、買えなかったのは外的要因の方が大きい)

「正体不明のロボットと、偶然友達になってしまった子供との友情を描く作品。しかし、得体の知れないロボットに拒否反応を示した大人達が、執拗にロボットを破壊しようと狙ってくる。果たして彼らの運命は・・・。」

という話なので、正直に言うとストーリー的な斬新さは残念ながら無い。映像的にはなかなか良く出来ているが、ちょっと鉄人28号っぽいキャラクター的にも新しさという物は無いのかもしれない。でもこの作品には、作り手の気持ちという物がよく表れているような気がしたのだ。


先日、「スピリット」というアニメを紹介した。*1こちらは人間と馬との友情を表現した作品だった。そういう意味でも似ているが、この「アイアン・ジャイアント」も音こそ発すれども、言葉はしゃべらない。それでも、巧みな子供の想像力と、健気な心で接しあい友情を深め合っていく様は、なかなかじんわりとこみ上げてくる物がある。言葉がなくても通じ合えるって素晴らしい。

そして、大人達の「理解できない物は排除せよ」と言わんばかりの強固な態度に「大人ってイヤだな」という想いを抱いてしまう。やっぱり素直が大事だよね。

さて、このアニメの凄い所は実はラストにある。ロボットと大人達の激しい攻防戦は特に見もので、ロボットの変貌振りに、ただただ唖然とするばかりだった。「す、すげぇ!」と声を上げてしまったことは隠しておけるようなことではない。そして、本当の意味でのラストに感動してしまった。これは隠しておいた方がいいんだろうが、子供に夢を与える終わり方というのはとても大切だ、と涙した。

大人が見ても楽しめる子供向けの作品というのは、正直見ていて気持ちがいい。むしろ、見終わった後に納得感と充実感があったりする。こういう作品は大切だ。気軽な気持ちで、見てもらいたい。

*1:スピリット:過去記事→id:kenbot3:20041024