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モンスターズ・インク

モンスターズ・インク [DVD]
私は基本的に、映画は事前に情報を調べない性質だ。絶対に知りたくない!と思っているわけじゃなく、不可抗力的に知ってしまった場合は除き、いわゆる特番の様なものは事前に見ないし、映画情報誌やパンフレットなども読まないし、集めない。

だから、この映画のタイトルを見た時にこう思った。「あぁ、モンスターが出てくる魔法のインクのお話かな?」と。そう、「インク」を「incorporated (法人組織)」とは思わず、「ink (インク、墨)」と思ってしまったのだ。あぁ、なんて日本人。

だから、内容を知った時に驚いた。こんな設定を考える人が世の中にいるんだ!ってことに。


ネタバレにならない程度に書こうと思うが、この映画は「モンスターの世界にある、"人間の子供を驚かす会社" に勤める社員達と、ちいさな人間の子供の物語」だ。個人的に非常に興味深い内容だ。「トイ・ストーリー」は、映像化したという点ですばらしいが、「おもちゃの世界がある」という事は、昔から良く語られていたことで、そういう意味での目新しさは無い。でも、「子供を驚かす会社」があり、「驚かすことは仕事」だという設定は、なんだか普通では考えられないと思う。

子供の頃に悪夢を見た事があるだろうか。程度の差こそあれ、誰でも見た事があると思う。特に心霊現象のTVやUFOの特番などを見た後はチビっちゃうぐらい夜の布団の中というものは怖い物だ。その時に「悪夢」に「理由」なんて物を無理矢理つけるので、「自分が弱虫だからだ」とか「本当はそんな奴はいない」だとか、考える。でも、改善はしないで、日々うなされたりする物だ。

そこで、「悪夢は本当にある」けど「弱虫だからじゃないよ」と説明しているのがこの「モンスターズ・インク」だ。「仕事で脅かす奴がいるんだからしょうがないじゃないか」。そして「彼らだって悪い奴らばかりじゃないんだよ、友達になれたらいいのにね」と。

モンスターたちは、仕事をしていない時は基本的にいい奴らだ。体はデカかったり、変な姿をしていても、そこには「社会」があり「会社」が存在する。子供たちを驚かすことを楽しみにしている奴もいるが、仕事として割り切ってやっている奴もいる。それが社会。


もし、自分が子供の頃にこの映画を見れたら良かったのに、と思った。そしたら、悪夢も少しは楽しめたかもしれない。