挨拶。
昨日のこと。夜のこと。
会社から帰ろうと思って、エレベーターで一階に降りた。
電気が消えているそれ程広くも無い正面玄関のホールで携帯電話を持った女性が立っていた。
別にホラーな話でもない。特に気にするような状況でもなかったので、そのまま立ち去ろうとしたんだが、ちょっとか弱そうな声でいきなり話しかけられた。
「あの、夜は何処から出ればいいんでしょう・・・」
配属されたばかりの人なのかもしれない。自分の会社の人かどうかも知らないわけなんだけど、邪険にするような内容でもないので、「こっちですよ〜」とスタスタと歩いて(正面玄関はしまっているので)通用口まで連れて行った。
女性はやっと理解できたみたいだったが、やっぱりまだ緊張していたみたいだったので、通用口のドアを開けたときに
「お、もう雨やんでますね。」
って声を掛けた。すると、少しビックリしたように
「あ、ほんとですね。よかった。」
なんて返事を返してきた。だから
「ほんとですね。よかった。」
と普通に返してそのまま背を向けて駅に向かった。すると、ちょっと間をおいて後ろから
「おつかれさまでした!」
という声が聞こえてきた。ちょっとビックリした。だって知らない人だもの。面食らったけど、ちょっと振り返って
「はい、おつかれさまでした〜」
と挨拶する事ができた。
ただ、それだけの話。挨拶が出来たってだけの話。知らない人である私に「おつかれさまでした」なんて最後に声をかけてくれたことにも驚いたし、ちょっとうれしかった。
でも、たぶん5年前には自分もこんな風に返したりする事は出来なかった気がする。少し、人間的に成長したような気がする。少しだけど。*1
*1:なんとなく思い出した過去記事:あいのり⇒id:kenbot3:20061004:1159936108