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チキンラン

チキンラン [DVD]
先日、CATVで「ウォレスとグルミットのおすすめ生活」という5分枠の番組放送が始まった。グルミットファンとしては外せないネタなんだけど、今日はちょっとハズして同じ、ニック・パーク監督が放つ、異色のクレイアニメーション「チキンラン」を書いておきたい。

ストーリーは簡潔に述べると「大脱走(ニワトリ版)」って所でタイトル通りって感じなんだけど、やっぱりそこは設定から展開からもう魅せてくれます。でもこれ、子供に見せていいアニメなんだろうか。ダメってシーンはないんだけど、微妙にブラックなネタがある気がするので、そのあたりは世のお父さんお母さんの判断に任せるっきゃないわけですけど。ま、小学生ならOKかな?

改めてストーリーと設定を書いておく。養鶏場で卵を産む毎日を過ごすニワトリたちがいた。しかし、彼女たちは卵を3日産めなくなると処分させられる。仲間同士で卵を譲り合い、なんとかみんなで生きてきたが、経営難に苦しむ経営者がニワトリの飼育を止め、より利益率の高いチキンパイ工場に転換することを決定する。もう、卵が産めるとか産めないという場合じゃない、このままでは全員処分されてしまう!

時が前後して、その時に一羽のニワトリが養鶏場に紛れ込んだ。サーカスで活躍しているという空飛ぶニワトリ、ロッキーだ。メスのニワトリたちはロッキーに脱走の手助けを申し込む。空を飛んで脱走しようとするのだ。しかしロッキーには人に言えない悩みがあった。それは・・・。


という感じのストーリー。果たしてチキンパイ工場が完成するのが先か、みんなで脱走するのが先か?という人間とニワトリの知恵比べってところがもうたまらない。こういうものはリアリティーがどうとか言うよりも、いかにくだらないか?という所がキモなんだと思うし。基本的にくだらない。でも、結構好きだ。

クレイアニメーションという世界は、粘土独特のやわらかさがある。どんなに早い動きをさせても、基本的にトゲトゲしないし、動き自体がどこかもっさりしている感じがする。だからコミカルな動きとなって、普通の実写やセルアニメでは出来ない描写が出来るんだと思う。でも、撮るのは相当大変だと思う、けど。

しいてこの映画で気になった点を挙げるとすれば、やっぱり「ウォレスとグルミットには敵わないな〜」と思ってしまった所かもしれない。それはきっと先入観と呼ばれるものもあるのかもしれないが、ストーリーが長すぎるのかちょっと中だるみがあったり、どこか唐突な展開の様なものがあまり感じなかったからかもしれない。リアリティーを求めないこの手の映画の場合は、不条理でも唐突な展開というのはたまらなくイカしたエッセンスになるからだ。


さて、自由を求めたニワトリたちは果たして脱走できたんだろうか?


ちなみに一番好きなシーンは「チキンパイ製造機」だったりします。やっぱりこれ、先入観?