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摩天楼(ニューヨーク)はバラ色に

摩天楼(ニューヨーク)はバラ色に [DVD]
もう20年近くも前の作品なのか。始めてTVで見たのはまだ働く大人に憧れていた血気盛んな学生の頃。と、書くと歳がバレそうだがそれはともかくその後、何度となく放送される度に繰り返し見た作品だ。

マイケル・J・フォックスの「バック・トゥ・ザ・フューチャー」と並んで評される代表作品だし、あまりにも有名だろうからあえてストーリーは紹介しないけど、こういうバカっぽいサクセス・ストーリーにはやっぱり夢があるし、見終わった後になんだか元気になる。最近の特徴として「最後までどうなっちゃうかわからない!?」という感じの映画が多くなってきている気がするが、この映画はむしろラストは判っているといってもいい。だが、そこに至るまでの「プロセスを大事にしている」所がとても好きなのだ。

さて、この映画を見て「そうかっ!俺もこうやれば偉くなれるんだ!」と思う人は少ないだろう。いや、いないと断言しても間違いはないと思う。だから私が好きな「プロセス」にリアリティーがあるかというと、それは全くないと強く言える。

そもそも主人公のやっていることは反社会人的な行為であり、会社として本来許容されざる行動の数々である。勝手に空き部屋に入り込んで、勝手に秘書を手配して、勝手に仕事を作って、勝手に、勝手に、勝手に・・・ととにかくやっていることは滅茶苦茶だ。でも、滅茶苦茶だからこそ私たちはなんの疑いもなく「ばかでぇ〜」と笑うことが出来るし、でも夢に向かってまっしぐらな主人公の姿勢に「憧れ」のような感情を抱くのだろう。


昨日書いたようにこの映画を今日取り上げた最大の理由は「着替えのシーン」だ。たぶん、この映画を見た人で覚えているシーンを3つ挙げよというと、その中には必ず入ってきそうな程インパクトがあるのはこの場面で、特に「エレベーターのシーン」は脳裏に焼きついて離れない程の強力なインパクトを誇っている。

昔の映画にはよく見られたこういう「着替えて変装:うまく行く→うまく行く→いつか失敗する」というお笑い要素の黄金パターンと言うべきものが結構あった気がする。デートの二股がけにも良く使われる展開だ。最近はアクションを派手にしたり、コンゲーム的展開を楽しむところが多くなっているからか、伏線として使われることはあっても、オチとして使われるという事は少なくなってきた気がする。


私が好きなシーンをもう1つ挙げると、お泊り旅行のシーンだ。部屋の電気が消えた瞬間、それぞれがいろいろな思惑で相手のベッドにどうにか入り込んでいい思いをしようとこっそり移動する場面だが、あの暗闇の中でのドキドキな追いかけっこシーンは最高の出来だと思う。特に選曲されている「オ〜イェ〜♪」というノリノリな音楽は(曲名を知らないんだけど)今でも時々頭の中をグルグルまわる事がある。

では3つ目は何か?と聞かれると、それはちょっと内緒にしておきたい。それは私だけのお楽しみってことで。

もう何年もこの映画を見ていないけれど、この映画は私の中でかなりポイントが高い。今見るときっとやっぱり古臭さを感じるんだろうけど、あちこちに散りばめられているお約束事的ギャグの連続は、ドリフのコントのように安心感の漂っている貴重な作品である。*1

*1:タイトルについてはいろいろな意見があるようだけど、個人的にはこのタイトルは気に入っている。むしろ、原題の「THE SECRET OF MY SUCCESS」ではインパクトに欠けると思う。僕の成功の秘密?