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パニック・ルーム

パニック・ルーム [DVD]
自分の脳のシナプスがどういう風につながっているのか、時々判らなくなるんだが、そういえばそろそろ書いておくか〜という気になったのがこれ、「パニック・ルーム」だ。面白かった作品だが、2度は見ないかもしれない。逆に言えば「後味すっきりテイスト」な作品だ。

昔の富豪が使っていたらしい古い感じの建物に惹かれ、娘と2人で引っ越してきたメグ(ジョディー・フォスター)だったが、以前の家主が屋敷の何処かに隠していたという財産を目当てに3人組の強盗が侵入してきた。突然の事態に娘と一緒に緊急避難部屋、通称「パニック・ルーム」に逃げ込んだメグだったが、まだ引っ越してきたばかりでセキュリティーが完全に機能していない。外との連絡も取れず、時間ばかりが経過していったが、事態はどんどんと悪くなっていった。持病を持つ娘の容態が悪化してきたのだった。彼女には注射が必要だった・・・。

ちょっとネタバレ的なストーリー紹介だが、ここまで書かないと多分面白さは伝わらない。この映画の面白いところはパニックルームの中と外でお互いが「入りたい、入れない」「出たい、出れない」という相反する葛藤に苛まれる所だ。そして、ストーリーの展開によってこの立場が大きく変わるところも結構見ものだと思う。

強盗には明確な目的があり、適当に家を選んで侵入したワケではない。だからこの映画は成り立つのであって、これが目的のない強盗だったら「おい、ヤバイから逃げようぜ」で終わる「パニックルーム万歳!」的な安易なハッピーエンドとなっただろう。

ただ、強盗のキャラクター設定がちょっと強引過ぎる感じが否めなくもない。アメリカ人が好みそうな娘像と母親像はほぼ完璧な感じがするが、強盗に関しては「もしかしてコメディー?」といいたくなるようなデコボコっぷりなのだ。ちょっとこれは減点要因かも。

全体的に緊張感は常にある映画なので眠くなったりはしないが、(隠された財産以外の)いわゆる謎の様なものもないし、裏を返せばヒネリの様なものもあまりないので、個人的にはもうリピートしなくてもいいかも?と思ってしまっている。派手なパニックっぷりも欧米的でちょっと大げさに感じるし。


狭い土地、狭い家に住む日本人的感覚から言って、こういうパニックルームの存在がまず奇妙に考えられるが、主な仕組みも映画の中で説明してくれるし、そういうもんなんだな〜と割り切ってみればとりあえず良い。ただ、この映画を見て「パニックルーム欲しい〜」と思うかどうか?は、ちょっと微妙かも知れない。

追記。

「後味すっきりテイスト」とか書いておきながら思ったんだけど、ラストのシーンは妙に後味が悪い。上記の通り謎があるワケじゃないんだけど、「ハッキリと終わらせる為のラスト」であり、これしかなかったのか?とちょっと思った。そういう意味ではハッピーエンド・・・じゃないんだよね、これ。