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グラスハウス

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梅雨入りしたんだかしてないんだか判らない極端な日が続く今日この頃だが、家でだらだらとTVを見ていたら、なんだか怖そうなのが始まった。そういえば、最近は民放で映画を見る事が多いかも。

両親の事故で孤児となってしまった2人の姉弟。両親が遺言で後見人に選んだのは、昔の知人夫婦だった。彼らは小高い丘の上に建っている、今まで見た事も無いような豪邸「グラスハウス」に引き取られていったが、そこで姉は夫婦が何か隠しているのを敏感に感じ取った。それは多感な年頃の彼女の勘違いなのか、それとも・・・。


以下、ちょっとネタバレ。

この映画は比較的よく出来ていると思った。ストーリーはとてもシンプルで判りやすく、そのストーリーに必要なキャラクターが特徴を持って配置されている。最初から「悪い奴、コイツ→」って感じが「嫌味ったらしい程」に表現されているので見終わった後に「結局なんだったの!?」という気持ち悪さもない。だからといって、最後まで気がモタナイというのではなくて、それなりにスリルをもって楽しめた。

思春期の情緒不安定気味な主人公のルビー(姉)のちょっと不良っぽい感じのセリフや行動などが、最初の内は鼻につき感情移入できなさげで好きにはなれないタイプだが、逆に素直真っ盛りのレッド(弟)がいい感じに対極にあり、最後の方ではルビーがとても頼りがいのあるシッカリ者のお姉さんって感じに感じられるのがとても印象深い。

ちなみにここでいう、グラスハウスとはそのまんま「ガラスの家」である。景観の美しさはなかなかの物で、人によっては「こんな家に住んでみたい!」と憧れる家かもしれない。

いきなり関係なさそうな話を振ってしまうが、たまたまその前に見ていた「劇的ビフォアー&アフター」は「匠の家スペシャル」だったワケだが、そういえば匠がコダワルのは「ぬくもり」だと気が付いた。だから木をベースに使う人が多い。

この映画のガラスの家は「寒々しさ」と「壊れやすい関係」をイメージしているんだと思うが、確かになかなかに効果的*1だと思った。でも、むしろお話は「家の外」で行なわれている印象が強いので、家に対する印象がタイトル程に強く感じないのは惜しい気がする。



さて、ここまで書いておきながらまだ書くのか!という気がしないでもないが、気になった点がやっぱり何箇所かある。

まず、奥さんの病気についてあまり明確な説明がない。ビデオテープを取り出して一人で見ていたシーンがあるが、ハッキリと意図が汲み取れなかった。子供が二人ほど映っていた気がするが、それが「自分の子供」なのか「主人公の姉弟」なのかが判らなかった。どうも子供には恵まれていなかったと思うので、たぶん後者だと思うだが、それだとすると「彼女は罪の意識に押し潰された」と解釈するべきなんだろうか。・・・かな?かも。*2

あと社会福祉員が自宅を訪問した所がどうにもおかしい。いや、訪問自体はおかしくないのだが、その情報が夫婦にリークしているのがどう考えてもおかしいのだ。たぶん、社会福祉員は依頼者である管財人に「自宅を訪問する」と伝えたんだと思う。だが、それはもちろんストーリー内で語られていた通り「偽装的な訪問」という位置付けであるワケだ。しかも突然。

にも拘らず見事に後見人夫婦は「問題がない」風を装い、社会福祉員は姉がウソを言っているかのような印象を与えることに成功している。つまりこれは、「管財人からリークした」という事になる。これ、どうにもおかしくないか?と思う。それじゃ偽装の意味が無いじゃん?管財人さ〜ん!あんた無防備過ぎるよ〜!って。


他にもいくつか気になる点があることはあったんだが、最後に一言。
どうして外国の映画に登場する「豪邸」には「プール」があるんだろう。いや、プールがあるのは豪邸の証拠なのかもしれないが、言いたいのはそうじゃない。「なんでブルーにライトアップされたプールがあるんだろう?」って事だ。普段から使わなくてもライトアップしているワケ?映画だから?それともそれが一般的なの?

*1:とはいえ、「門までガラスが組み込まれている」というのは如何なものか?と思ったが。

*2:って事はビデオの最後で映っていたカップルは事故で亡くなったご両親ってことなのかな?