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8Mile

8Mile [DVD]

映画はともかく、音楽はサッパリわからない私。「エミネム」とか言われても、誰それ?とか平気で言ってしまう訳ですが、その人の自叙伝の様な作品らしい。本来こういう作品はキライな部類に入るんですが、見終わった率直な感想としては「結構面白かった」と思っている。無理矢理トップスターになるまでをストーリー化してあるわけじゃなくて、一時期に絞ってストーリー展開している辺りで無理がなく、しかも内容的にメリハリが付いていい感じにまとまっている。
面白いなと思ったのは、ヒップホップでバトルを繰り広げるシーンがあること。正直言って「何でコッチが勝ったの?」と、ヒップホップのヒの字も知らないような私にはサッパリ判らなかったりする。しかし、映画の中ではそんなわからない人もいることを前提にしているのか、ちゃんとオチを付けてくれるように出来ている。ちょっと感動。
ファンの人はもちろん見てもいいと思うが、ちょっと暗いけどストリート系のジメジメした映画も結構イケる!という人は見ても損がないと思う。マヂで。うん。

キーワードの「原作」って?

さて、私。「ハリー・ポッター」はファンなもんですから、原作は何度となく読んでおります。台詞だって言えちゃうもんね!ってくらい。なので、どうしても「原作とここが違うな〜」と映画を見ていて気になって仕方がない。いや、むしろそこしか見ていなかった気がする。これは「原作を読んでいなかった方が楽しめるのかも?」と正直思った。
逆に「デアデビル」はアメコミに手を出してこなかったので、ある意味素直に楽しめた。仕置き人的キャラクターとしてどうよ?とか、それって闇討ちジャン?とか、いくらなんでもそこまで超人化できるか?とか、いろいろ気になることは多々あったとしても、原作を知らないので違いが気になった訳ではない。そういえば、スパイダーマンもX−MENも原作を知らないからこそ楽しめたのかもしれない。知ってたらどうだったんだろうか。
最後の「8Mile」。原作という訳ではないが、「エミネムのファンかどうか」という事が言いたい。映画の中で使われている音楽ははっきり言ってファンでない私は知らない曲ばかり。だが新鮮に楽しめた。この映画の場合はファンである人たちが楽しむ事が出来、知らない私でも十分楽しめたというところはすごいと思った。
原作(オリジナル)という物が存在する映画は、2時間という限られた時間の中で表現をしなければならないため、どうしても無理が生じることは良く判っている。そして、オリジナルがあるからこそ映画化しやすい(人気を取りやすい)ということも判ってはいるが、逆に言えば見に来る人は「オリジナルを知っている人だろう」と思う。だからこそ「オリジナルを知っている人が楽しめる作品」でなければならないと思う。知らない人が楽しめるのは「新鮮味を感じているから」だけであり、やはりコアなファンを裏切ってはいけないと思う。原作を知っているがゆえに楽しめないというのでは、ファンとしては少々寂しい物がある。オリジナルのある映画って、見る方も難しいな・・・と感じた。