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喫煙率の話2010。

先の喫茶店に関する話を書いて、ふと『そういえば喫煙率も前に調べたな』*1と思い出し、今年も調べてみることにした。以前から書いている通り、自分はタバコは吸わないが、統計情報となると興味は別。
あと、『喫茶店』と『喫煙』は無関係*2だということも、前に書いているし、認識しているので注意願いたい。自分の思考回路的に繋がっているだけの話。

そんなワケで、以前の表に追加となった2年間分の情報を追記してみる。

2003〜2010年「全国たばこ喫煙者率調査」(JT)

調査年 男性 女性 男女計 男性 女性 男女計
2003年 2,387万人 721万人 3,108万人 48.3% 13.6% 30.3%
2004年 2,328万人 704万人 3,032万人 46.9% 13.2% 29.4%
2005年 2,281万人 739万人 3,020万人 45.8% 13.8% 29.2%
2006年 2,066万人 667万人 2,733万人 41.3% 12.4% 26.3%
2007年 2,016万人 684万人 2,700万人 40.2% 12.7% 26.0%
2008年 1,984万人 696万人 2,680万人 39.5% 12.9% 25.7%
2009年 1,957万人 644万人 2,601万人 38.9% 11.9% 24.9%
2010年 1,840万人 655万人 2,495万人 36.6% 12.1% 23.9%

※ 2003年/2004年については過去調査時の結果より抜粋

前にも書いたが、2006年を境に急激に変化している。前回はよく判っていなかったが、よくよく調べてみたら、調査方法が2006年から変更*3になっていた。
具体的には、訪問回収ではなく郵送回収になっており、答えたくない人や答えるのを忘れてしまっている人が増えているのかも知れない。とすると、実態はもう少し多い可能性があると考えた方が良さそうだ。


そう考えたとしなくても、一昨年も気になっていた傾向として、男性の喫煙率の減少と異なり、女性の喫煙率は相変わらず上昇傾向にあると読み取れるのは間違いない。

2009年には一旦下がっているが、これは2008年12月の増税案の表明と、2009年2月の増税決定(つい先日、2010年10月に実施)の影響ではないかと思われる。これは、2003年7月の増税(2004年に影響と推測)と、2006年7月の増税でも減少の傾向が見られるので、増税と喫煙者の減少は相関が高いとみなしてよいと思う。*4

にも関わらず、そうでない年は喫煙者は増加しているワケで、なんだかそれはそれで如何なものかと思うわけで。

無論、男性の方がまだ遥かに多いことを考えれば、割合が近づいているだけの話とも取れるが、そもそも吸わなくてもよかったもの、吸う必要のないものを吸うようになっている、増えているという時点で、これは社会的な問題と考えるべきだと思う。

2003年の時点と比較し、男性は人数として23%も減少しているのに対し、女性は9%しか減少していない。


先の話で、回収方法が変更になっており、回答が少なく出ている可能性があることを考えると、女性の喫煙者数の実態はあまり減っていないのかもしれない。

個々の人のレベルでは、禁煙しはじめる人もいるだろう。だが、そうして止める人と同じぐらい、もしくはそれ以上に喫煙を始める人、またはぶり返して吸い始める人がいるのではないか?と推測できる。


個人的には『嗜好品としてのタバコ』を受容しているので、喫煙者は即刻タバコを止めるベキ!とかいうつもりはない。むしろ、喫煙者に対する社会の縛りが年々強くなっていく風潮には困惑を感じる部分もある。

しかしながら、そこまでして禁煙が叫ばれる世の中で、実際には増えていく傾向が見られることには、正直疑問というか不思議なものを感じずにはいられない。今まで吸わなくても良かったものを、吸わなくてはならなくなった事情というか、背景というか。

今後もこの問題は研究に値するなぁと思った次第。

*1:喫煙率の話。:過去記事⇒id:kenbot3:20081204:1165995669

*2:喫茶店の喫は。:過去記事⇒id:kenbot3:20061213:1165995669

*3:2006年「全国たばこ喫煙者率調査」要領⇒http://www.jti.co.jp/investors/press_releases/News/2006/11/appendix20061122_01_01.html

*4:ちなみに調査は2010年8月なので、今年10月の増税の影響は来年出ると考えられる。