『写真』

『写真』が苦手だ。というか、カメラで撮影するという行為が苦手だ。いや、ちょっと違う。『想い出の写真を撮る』のが苦手なのだ。

この日記には時々写真を使ってはいるが、写真がメインの日記ではない。そもそも、その写真だって携帯電話のカメラで撮ったものであり、お手軽なはずのデジカメですらもう何年も持っていない。そして、買う予定も無い。

だからといって、特別写真が嫌いというワケではない。ただ、写真を想い出として沢山撮ったり残したりする人がいる一方で、私は想い出を写真に残すという事が出来ないでいるダケなのだ。きれいな風景や、他の人なら想い出に一枚残しておきたい！っていう場面に出会っても、それを写真に残そう・・・という所まで頭が働かず、ボンヤリ眺めていたり、他の事に意識が取られている間にその機会を失ってしまう。

もともと写真を撮る事が得意な方ではなかったが、決定的瞬間をカメラにおさめるように務めたことがある。風景でも、面白いことでも、どんなことでも、想い出として写真に焼き付けておこうと。その頃は結構な枚数写真を撮っていた。写真のネタになりそうなものを探しては何枚も何枚も撮影していた。

でもある日、その想い出の瞬間を見ているのは自分の目で直接ではなく、カメラのレンズを通した液晶画面そのものであり、決定的瞬間でさえ、カメラのシャッターを押したタイミングで真っ黒になった後の過去の記録映像としてしか見ていないこと、その自分の目で見れない一瞬の為に、シャッタースピードを計算して先回りでボタンを押している事に気が付いた時、なんか自分が残そうとしている記録は、自分の目でみる記憶より大事なんだろうか？その記録は(後日の)自分の為なのか、他の人の為なのか？と良く判らなくなったことがあった。

以来、というほどハッキリとした区切りがあったワケではないが、自分で写真を撮って記録を残すという事に興味を失ってしまい、誰かとどこかに遊びに行っても一切写真を撮らない気が利かないダメ男に成り下がった。*1

『写真』が苦手だ。なんだか、写真を撮っている自分をあまり想像できなくなった。

*1:写真。：過去記事⇒ id:kenbot3:20060531:1149080780