ダンサー・イン・ザ・ダーク

ハッキリ言って「元気があるとき以外見るな！」という映画である。あまりにもかわいそうな境遇と、ラストシーンにはえらい衝撃を受けたものだった。というか、こんなストーリーの映画でいいのか？とすら思った。

音楽もビョークだが、主人公もビョークだ。普通、ミュージシャンやアーティストが出演する映画というのは、"それなり"という事が多いが、これに関しては完璧に違うと言い切れる。ビョークってスゴイ。

映画の基本的な見方としては「ミュージカル」であり、想像力のたくましく、日々の辛い生活の中でミュージカルにのみ楽しみを見出している主人公の物語。楽しげに踊るミュージカルのシーンとは裏腹に、主人公の想像の外で流れている現実世界の世知辛さが、なんともいえないギャップを生み出していた。

ただし、見て楽しいというよりも、明らかに辛い映画である。ストーリーも半分を過ぎた辺りから、胸が苦しくなってきて、なんで？どうして？を見ている自分にも繰り返し問いかけてしまう。そして、その問い掛けに答えが出ることは、多分ない。今でも、この映画のＣＤを聞くと、ズシリと重いテーマがよみがえってきてしまう。