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ホワイトアウト

ホワイトアウト [DVD]
もう、3月。これから暖かくなる時期だというのに、なんとなく書きたくなったので「雪」に関する映画を書いてみる。しかも、珍しく邦画。織田裕二の代表作の一つ。

テロリストに占拠された真冬のダム。人質となってしまった同僚や親友の恋人を救う為に、富樫(織田裕二)は1人で立ち向かっていく。昔、自分だけが助かった、親友の事故のトラウマを抱えつつも・・・。

って、映画。結構面白い。ちょっと「そら、無茶やろう」というシーン(具体的にはダムのパイプで逃走する所だ)とかもあるにはあったが、武器も持たない一般人が知恵と勇気だけで*1テロリストに立ち向かう様は、なかなかにエキサイティングだったりする。ダムのプロフェッショナルだからこそ地の利を生かして戦っている訳で、「感と閃きだけ」で戦っているハリウッド的なヒーロー像とは明らかに違う。そういう意味でも、設定的に面白い映画だと思う。ラストまで含めて、なかなか良かったと思う。


「ホワイトアウト」とは、「吹雪により視界が完全に奪われてしまう状況」のこと。話は映画とズレてしまうが、実はスキー場で近いことを経験した事がある。もう何年も前、会社のスキー旅行に出かけたときのこと。猛吹雪の中、動いているのが不思議なぐらいのリフトに乗り、山頂まで一気に上り詰めた私達のグループ。この頃の私達のツアーでは「じゃ、今乗ったリフトで合流ね」という、途中で休憩許すまじ、休むのはリフトの上だけにしろ!足で稼げ!捜査の基本だ!(?)という気合いと根性の体育会的スキーがパターンだった。

そんな訳で、リフトを降りると同時に準備が出来た順番から次々とコースに飛び出して行く私達。視界も5m?10mはないね?っていう感じのゲレンデは、前を走る先輩の後をついていくだけでも精一杯。しかし、まだスキー経験の浅かった自分はどんどん遅れてしまい、気が付くと一人ぼっちに。でも、前を走る先輩の後を追おうと、必死に滑っていた。強くて痛い程の猛吹雪をわずかに出た顔に感じながら。。。


そして、しばらく時間が経った頃。といっても、1分も経っていないかもしれないが、ゲレンデで誰かに声をかけられた。

「何やってるの?」

と。私は滑っているつもりで姿勢は取っていたものの、実はいつの間にかスピードが落ちていたらしく、ゲレンデの真ん中でポーズをとった状態のまま立ち止まっていたらしい。後から来た別の先輩が、それに気が付いて声をかけてくれたのだった。

あまりの猛吹雪を前から受けていたため、自分はすごいスピードで滑っていると勘違いしたのだった。もちろん、足元からの振動で判るだろう?といわれてしまえば、ソレまでなのかもしれないが、上下の傾斜も前後も左右も全くわからない状態になっていて、感覚が完全に麻痺していた、のだった。


という訳で、この時ばかりはかなり恥ずかしかったが、今考えるとこれも「ホワイトアウト」な状態。つまり、自分がどういう姿勢で何をしているのかすら判らなくなる現象だ。そんなホワイトアウトな世界で戦い抜いた、織田裕二はカッコイイと思う。

・・・って、映画の中の話ですか。戦ったのは。
っていうか、途中から映画の話じゃないし。>自分

*1:本当なら「愛」も足したい所だが、「友人の彼女」っていう微妙な位置付けなので保留。