みた、こと。きいた、こと。

合言葉はSite Seeing

お正月の過ごし方。

子供の頃、お正月というのはコタツに入ってミカンと煎餅を食べながら正月特番のTVを見たり、親戚の家を回って新年のあいさつ回りをしたりした物だった。それはこの時期、殆どのお店は閉まっており、買い物に行く場所もなければ、遊びに行く場所もなかったからで、お正月休みは基本的に "家の中に籠もっているもの" だった気がする。

毎年年末が近づくと、買出しに連れて行かれた。年末年始に出来ない食料の調達が主な任務で、大量に買い占めた食べ物を、冬眠中の熊よろしく家から一歩も出ずに、冬篭りしている間中小出しにして食べたものだ。ミカンなんて箱買いだったし、直ぐに食べ飽きてしまうおせち料理も日持ちするような煮物系が多かった。

だから「冬休みである」という点と「お年玉がもらえる」という点はうれしかったが、楽しいものであったかというと、よく考えると微妙な存在だったかもしれない。TVを何時間見ていても怒られなかった気はするが、いつも一緒に遊ぶ友達も同様に新年の挨拶に出かけていたりして、遊び相手がいなかったからだろう。


時が経ち、私も大人になった今では、普段と代わりの無い生活を送る事が出来る。近所にある大型のショッピングモールやスーパーでは、24時間・年中無休な営業が当たり前になってきており、その日の食べ物をその日に買いに行く事が出来るようになった。お正月に家の中で過ごすのではなく、外に出て過ごす事が出来るようになってきた。初詣に行くより先に、初売りに出かけて福袋を買い漁る事も出来る。


子供の頃の「お正月らしさ」が失われつつあるのは、何が原因なんだろうか。単に私が大人になったから、なんだろうか。