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イルマーレ

イルマーレ [DVD]
今、自分の住んでいる家のことでこんな風に考えた事はあるだろうか。
「この家に前に住んでた人は、どんな人だろう。この家に次に住む人は、どんな人だろう。」
同じ場所に住んだ事がある人同士なら、互いに心を開きあえる事が出来るかもしれない。

イル・マーレは、イタリア語で「海」。この映画のタイトルとなっている、イルマーレとは、海辺に立てられたとてもお洒落な家に付けられた名前。こんな家に住んでみたい!と、正直思っても見たりするが、この映画の主人公はこの家、そのものなんだと思う。

タイトルはあくまでも邦題。これは最近流行の「韓流」な映画だ。あまり詳しくないので、どのあたりが「らしい」のかは説明できないが、とても「韓国映画らしい」作りのラブストーリーだ。切なさが一杯、じっくりとストーリーを堪能したい時に見るとジンワリ来るかもしれない。そういう意味では好きな映画だった。

主人公は「家」だけれども、人間の方の主人公もやっぱりいる訳だ。男性の方は良く知らないが(ファンの方、ごめんなさい。本当に詳しくないんです)、女性の方は「猟奇的な彼女*1チョン・ジヒョンだ。まったく雰囲気の違う作品で、今回の訳はなんだか悲しい表情の多い役だった。でも、やっぱりこの人、好きかもしれない。かなり私の弱い所を突いてくる。


この映画、男性が見ても結構楽しめる。普通、こういう恋愛系の映画の場合、女性を主体に描かれる事が多い。見終わった後、めちゃくちゃ女性視点のご都合主義映画だな、と思う作品も多い。男性役の人に「そんな奴はいねぇ!」といいたくなるような感じで。

この映画もストーリー的にはご都合主義的なところ*2はあるが、男性の設定はなかなかいいところをついている。ソンヒョン訳の男性は、ルックス的にはもちろんカッコイイ。でも、やたらとモテる女泣かせな奴でなく、幼い頃に追った心の傷を引きずっていて、誰に対しても素直になれないちょっとつっけんどんな奴だ。一人で考え、一人で悩む彼。その行動一つ一つに共感できる部分が多々あった。歯の浮くセリフをやたらと並べまくるような奴じゃない。いや、手紙のやり取りだから自然に感じたのかも知れない。


この映画、家で一人でいる時に見て欲しいと思う。そんな映画だった。

*1:猟奇的な彼女:過去記事→id:kenbot3:20040919

*2:特にラスト。まぁ、これも「韓流らしい」といえば言えるか。