ばいば〜い。

昨日の話。朝、バスに乗っていたときの話。
朝の混雑したバスの中に、２〜３歳ぐらいの男の子とお母さんが乗っていた。乗り口のすぐ近くにある優先席に座っていた女性が席を譲ろうとすると、お母さんは慌てて『いいんです。いいんです。すぐに降りますから』といいながら子どもの様子を気に掛けていた。
その辺りからなんとなく気になり始めていたんだけど、どうやら子どもは『元気いっぱいの盛り』らしい。バスの車中、どこでも完全に聞き取れる声で、窓の外にちらりと見える建物についてあれあれ！と、指さして声を上げるし、あとどれぐらい乗ってるの？と、とにかくお母さんを質問攻めにしていた。
お母さんはそれはそれは気恥ずかしそうに、『おとなしくしてなさい』と荒げない程度に声を掛けるが、気にする様子はなし。
しばらくすると、どうやら降りる場所に着いたらしい。『ほら、ここよ！』と促すお母さんに変わって、元気に『おりまーす』と車内に声を響かせる。そこまでされて道をあけない人はいない。
そして、バスを降りた男の子は、扉が閉まるバスに向かって片手を挙げてこう言った。
『ばいば〜い』
外で、人ごみから離れられた安堵感も手伝ってか、緊張感の解けたお母さんの噴出すような声が聞こえた。
やっぱり。子どもってすげぇ、と思った。