みた、こと。きいた、こと。

合言葉はSite Seeing

『時間よ止まれ』

人類が『時間』という概念を理解し、幸せや苦悩などの感情を豊かにしていったであろう頃から、たぶん『時間よ止まれ』という言葉はあっただろうと思う。いや、もしかすると文字や言語が生まれる前からあったかも知れない。
今の時代に限らず、人は誰しも幾度となく思うだろう。
『時間よ止まれ』
と。そして、それが不可能だと判っているからこそ、様々な小説や映画、ドラマなどでそんなシーンが空想によって語られている。
だが、単に時間が止まるといっても、自分まで止まっては意味がない(その場合は時間が止まったことには気付かないだろう)し、何でもかんでも止まればいいという話しでもない。そして、それはたぶん『幸せの時』か『苦悩の時』かで大きく変わる。
幸せの時は、自分の、ほんの狭い範囲だけでその状態が永遠に続くことを願っているので、ぶっちゃけ周りの世界が動いていようが止まっていようが関係は無い。そもそも、時間が止まって欲しいというのは『自分が、自分達が周りの影響を受けないこと』を望んでいるだけであって、本当に止まって欲しいと思っている訳ではない。
だが、逆に苦悩の時はハッキリしている。自分以外の全てが止まることを願うものだ。いや、自分自身でさえ止まってもいいと思うものだ。
時間は常に動いている。それを止める術は人間には無い。
だからこそ人は無謀にも様々な形でそれを願い、思いを馳せる。
『時間よ止まれ』
と。