みた、こと。きいた、こと。

合言葉はSite Seeing

時間劣化表現。

今を「デジタル時代」と呼ぶことに抵抗がある人は少ないだろう。特に情報にいたっては、殆どデジタル的な管理をされている。
インターネットが世界的に普及し始めてからもう10年以上になる。その間、様々な情報がネット上に流れ、時に社会問題に上げられ、消えることはあったが、それでも情報は肥大化の一途を辿っている。
自分の知りたい情報を検索エンジンで探すというのは、もはや常識の1つである。それが出来ない人と出来る人では情報格差(デジタル・デバイド)があるといわれ、結果としてネット上にあるあらゆる情報に頼って、私達はビジネスでもプライベートでも頼りながら生きている。

だが、そこでまた別の問題に突き当たっている。

10年前の情報と、今年の情報が見た目で区別が付かないことがあるのだ。

当然、検索エンジンは情報の新鮮度も考慮して情報に優劣をつけて出してくれている。だが、出てきた情報が最新であるとは限らず、私達は「その情報がいつのものなのか」「その情報が確かなものなのか」を確認するために、ページ内に書いてある日付、時間、それだけでなく他の情報との整合性を確認するために更に情報を求めて検索を続ける。

その違いに気付かず、飛び切り新鮮な情報だと思って歓喜しても、それが5年前の情報だったりすると、その時のダメージはかなり大きい。


10年前。検索できる情報の中にはそれより古いものが殆ど存在しなかった。だから、その情報はある程度最新のものであるという意味で信用できた。だが今は違う。新しいものも古いものも同じ様にごちゃ混ぜのまま管理されており、そのさらに沢山の情報の中から、より新鮮で正しいものを私達は私たち自身で見極めなくてはならなくなった。


アナログだった時代。10年前の新聞は、なんとなく古いものだと日付を見なくても判った。手に取る本も古さが判った。それを肌で感じ取る事が出来た。

今の「デジタル時代」。なんとなくでは時間の経過を把握することは出来ない。昔は特に何する出なく出来た表現が、今は出来なくなっている。むしろ、それをワザワザ作り出さなければならない時代になった。