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交渉人

交渉人 特別版 [DVD]
ネゴシエーターとは交渉人のこと。という訳で、邦題として紛らわしくも同じタイトルが付いている2つの映画を一緒に紹介しておく。こっちは(日本語の)「交渉人」の方。でも、原題は「THE NEGOTIATOR」(1998年)だったりする。

つまりはアレだ。先に名前を使われちゃったから「日本語にしたんじゃ?」って気がしなくもないんですが、まぁそれは想像であって真実はよく判りません。

こちらも、言うまでもなくネタバレ的です。

ストーリーは簡単にまとめると、

交渉人としてかなりの実績を積んでいた主人公(サミュエル・ジャクソン)の目の前で同僚が殺された。しかし、その容疑者として主人公は追い詰められる立場になる。同僚が追っていた警察署内の不正事件と、自分の身の潔白を主張するべく、警察署内に立てこもりを図る主人公。そして、交渉人である自分との交渉相手として、別の署の敏腕交渉人(ケビン・スペイシー)を指名するのだった。

って感じ。いや、この映画こそまさに「交渉人」ですよ。これは力説。

二人の交渉人がそれぞれのスキルとプライドをかけて対立し、その周りで繰り広げられる様々な陰謀が見ている私達にも緊張と疑心暗鬼と混乱をこれでもか!と叩きつけてくる。ほんと、最後の最後まで気が抜けないストーリーになってます。これはマジ。

強いて言うならば、内容の割に登場人物が多いので、いまいち頭の中の整理が追いつかない可能性がある事か。駆け引きとしてセリフは重要だから頭を使わなくちゃいけないのに、結構展開は速いし、場面場面で派手に銃撃戦が繰り広げられたりして、その度に頭がリセットされてしまって「あれ?今どういう状況?」と判らなくなる事があるぐらいか。矛盾は無いので、家でしっぽり二度見とかすると、それはそれで楽しいかもしれない。

あと、この映画で「交渉人とはどんな職業で、どういうことをする人なのか」という具体的な駆け引きが結構見られるのはいい意味で刺激的だ。そういう所も「まさに"交渉人"です」よ、と。

交渉人≠ネゴシエーター

今回のまとめ。
並べて書いたが、出だしの「主人公が交渉人で〜同僚が殺される」って所まで「ネゴシエーター」と「交渉人」の双方が一致していたのはちょっと興味深い。たぶん、偶然だと思うけど。
どちらも派手なアクションシーンがあるが、味付けはそれぞれ全く異なっているし、そもそも犯人像が「犯人、コイツ」的にハッキリしている「ネゴシエーター」の勧善懲悪型ストーリーと比べ、「真犯人、ダレ?」的にもやもやとしたままストーリーが進む「交渉人」は、同意語であるタイトルとは裏腹に、全く違う映画だ。

直接のストーリーとは関係なく、映画という点においてはタイトルはある意味内容以上にとても重要なものだ。判りやすいタイトル、インパクトのある名称というものでないと、見た人に感動を与えても、その後の広がりという点では、他の人に薦めようと思っても「あれ、あのタイトルなんだっけ?」となってしまうのは正直勿体無い。ましてや、違う映画を薦めてしまったりしては、もともこもない。

今回の様に紛らわしい例は決して少なくなく、洋画における原題と邦題の差異は、今後も大きな課題となっていくだろう。当たり前のことだけれども。

さて、2つ紹介しておいて、日本の映画の「交渉人 真下正義」(2005年)についても軽く述べておくが、海外に輸出されたときの題名は「NEGOTIATOR」だったそうだ。「THE」がない。まぁ、欧米の人がこぞって邦画を見に行くとも思えないので、それほど混乱はしなかったんじゃないか?と思うけど、日本に入ってくる洋画だけの話では既に無いのかもしれない。

あと、最近始まった日本のドラマについて話をしないのもアレなんで、これについては参考リンクくらいはしておこうかと思います。話を続けても紛らわしいだけんで。

・・・え?「交渉人」ってタイトルのドラマって3回(2003年、2005年、2008年)もやってるの?ど、どんだけ〜。