合理性
社内便のメールボックスが普通の棚から鍵付きのキャビネットに変わった。日中は鍵を開けておき、最終便の後に鍵を掛ける。これも、社内セキュリティー対策の一環だ。
それはいい。でも、そのキャビネットの横に貼ってある紙が気になる。チェックシートなのだ。
- 『回収に来たらハンコを押してください』
と書いてある。日付と時間でマスが切ってあり、担当者がハンコを押す仕組み。今の世の中、そんな仕組みはどこにでもあるので決して珍しいものではないが、私はこの仕組みが昔から好きではない。
- 『ハンコの押し忘れ＝作業していない』
- 『ハンコだけ押す＝作業した事になる』
これらが行われないことを前提とし、その証拠を残せと新しいルールを設ける。まず人を疑うところから始まっており、ハンコだけが作業を実施した証拠になる。人は他の人の作業を監視する必要がなくなり、興味も失う。人と人との繋がりが希薄になっていく。
私達は合理性の名の下に、自ら住みにくい環境を築き上げているだけの様な気がする。
