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FINAL FANTASY

FINAL FANTASY ― ファイナルファンタジー ― (スタンダード・エディション) [DVD]
なんとなく今日で「ファイナル」な気分と、そろそろ新作のゲームが出るってことで書いてみることにしたいこの映画。知っている人は知っている「全編フルCG映画」である。ま、公開してからもいろいろ言われたみたいですし、それについては同意な部分もあるんですが、一応「みた」としては書いておきたい作品。

見終わった率直な感想はたしか「よく作ったなぁ」だった。もちろん、「やっぱりまだCGだなぁ」っていう部分とかもあったんだけど、それ以前にがんばっているところはがんばっていると思う。むしろ不思議なのは「女性キャラクター」よりも「男性キャラクター」の方がCGっぽくないと思えるシーンが結構あったことだ。いや、もちろん主人公の女性はとても魅力的であり、えらい美人である。でも、それはやっぱりなんとなくCGって感じてしまう部分もある訳で。いろんな意味で。

さ、CGに関する話はこれで基本的に終わり。あとはストーリーとか内容に触れていきたいと思う。一応、映画として評価してます。

話はいきなり少しそれるが、個人的に映画が始まってすぐに「これまでの経緯的な説明文」が出るのは基本的にマイナスだと思っている。見る観客側に「今はどういう状況なんだろう?」という想像力を残す余地をあまり与えず、かつ「文章を読まさせる」という行為自体が「映画」から外れている、「映画を見に来ている観客」に対して映像以外のものを時間をかけて見せるという気がしてあまり好ましいと思っていない。ある程度「わっかんねーよ!」でも、それがストーリーを進めるうちに「お、そういうことだったのか」と判るようにしてある方がやっぱりエンターテイメントとしての映画としては良いつくりだと思っている。*1
さて、この映画もそういう点でマイナスだった。最初にストーリーの目的のようなものを語ってしまうのである。人類を救うために「8つのスピリットが必要で、今は何個そろってる」みたいな。もう、この段階で大体のラストシーンは想像ついてしまっていた。ドラゴンボールだって最初からブルマーが4つも5つもボールを持っていたらたぶんここまで人気が出なかったんじゃないかと思う。レッドリボン軍が5個持っててもそれはそれでいいんだけどさ。
でまぁ、さらにその「人類を救うであろうスピリット」が誕生した経緯の説明も弱いワケです。そこはなんとなく「ストーリーのご都合的」な要素が見える。それはそれでもまぁ、いいんだけど、それ以前に集め方がかなり唐突でちょっと拍子抜けする。主人公の女性が単独で集めているということ自体あまり説明力がない。まぁ、軍隊側からは煙たがられている存在で協力を得られる立場ではないということは判るけど、それでも国家的研究所なんだからもう少しちゃんと計画立てるだろうって思う。ブルマーじゃないんだから。あれは趣味なんだから。
そして、敵の存在の強引さもちょっと度が過ぎると思う。あの敵に関して言えばもちろん「CGだから出来る」んだろうけど、あれだけ物体の影響を受けずに移動できる敵だったら、どう考えたって物理法則の壁に阻まれている人間には逃げるすべも攻撃する手段も事実上ないと思う。それに気になる所といえば「敵が見える」「敵が見えない」という状況に統一性があまりないことだ。「見えないんなら見えない!」で統一すれば恐怖感も別なレベルで倍増するのに、中途半端に見えたり見えなかったりするもんだから、いまいち怖さが実感できない。


とまぁ、私にしては珍しくネタバレを抑えた感じで書いてみましたが、なんだかやっぱりネタバレ覚悟で書かないと中途半端な書き方になるな。ちょっと自分自身の書き方にストレスがたまりそうだ。

で、やっぱりこの映画に関する最大のポイントは「ゲームを意識している」という点なんじゃないかと思う。そもそも8つもスピリットを集めるという行為自体がなんとなくゲーム的であり、「ファイナルウエポン(ゼウス砲だっけかな)」が出て来る所もなんとなくゲームっぽい。もうちょっと敵の存在も含めて背景に厚みを持たせても良かったような気がする。

*1:唯一的に例外で認めているのが「STAR WARS」であるが、それは元々が「エピソード4」だという点であり、あの表現自体がすでにお約束にまで昇華しているからである。