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ブリジット・ジョーンズの日記

ブリジット・ジョーンズの日記 [DVD]
私が「レニー・ゼルウィガー」を「レニー・ゼルウィガー」と認識するようになった作品はこの「ブリジット・ジョーンズの日記」だった。というよりも、私にとって「レニー・ゼルウィガーはブリジット・ジョーンズだった」と言うべきかも知れない。

酒もやるしタバコも吸う。どこかヤサグレた感じすら漂うこの映画の主人公、「ブリジット・ジョーンズ」は、とても「30代独身女性、理想の鏡」とは言えないような人だ。でも、最初のうちはその破天荒っぷりが鼻に付く感じだが、気が付くとこの女性がとてもプリティーに感じられるようになってくる。

それは、何故か。

彼女は自分に正直であるからだ。失敗もする。くよくよもする。でも、悪態をついたり暴れたりもしながら、本人の気持ちの程はともかく「だって、しょうがないじゃない」という感じで受け止めて、受け流しているのだ。別に悟りを開いているわけでもない。人生に前向きというわけでもない。でも、その辺りがむしろ人間っぽく、自然で、親近感が沸いてくる女性なのだ。

彼女に自分の姿を映して見るのがいいのかは人それぞれだと思う。でも、彼女のそんな生き方を見ているうちに、最後は笑っているうちに、自分が元気になっていくのが判るのは確かだと思う。そんなラブ・コメディーだ。


どうでもいい事だが、かつてこれほどまで子供っぽいケンカを映画の中で見たことがあったろうか!と言いたくなる程にこの映画に出てくる「ケンカのシーン」は名場面だと思う。これはひとえにキャラクターの妙による物なんだと思うが、二人の男の(いろんな意味での)レベルがまったく違うことで起こる恥ずかしさ抜群の争いっぷりは、ある意味感動的である。

クライマックス・シーンに関係ある訳なので、細かいことは書きませんけど。


ブリジット・ジョーンズの日記 きれそうなわたしの12か月 [DVD]
なお、DVDが発売されたばかりの続編、「ブリジット・ジョーンズの日記 きれそうなわたしの12か月」(なんて長いタイトルなんだ!)もとても面白い。TVの恋愛ドラマなどで続編が作られたりする場合は「同じ三角関係のドタバタ」という構図は決して珍しくないが、映画の場合は新しい恋敵が登場するパターンの方が多い。その方が刺激的であり、かつロマンチックだからだ。

でも、この映画の場合は違う。行動範囲が世界規模になるなどとスケールが広がっているけど、登場人物は同じ。いや、むしろ会話や行動は下品な方向にスケールアップ!・・・ダウンと言うべきなのか?でも、そのギャップがブリジットらしくてとても安心して見ていられる。

「ブリジットらしく生きる。」

「えっ?」と思ってしまうような言葉だけれども、この映画は「いかに自分らしいことが大事か」という事を示している作品だと思う。