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インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア

インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア [DVD]
先に断っておくが、この映画は「男の映画」である。
ヴァンパイアのイメージはやっぱり女性を惑わすほどに美男であるというお約束を守っており、トム・クルーズブラッド・ピットアントニオ・バンデラスと色男大集合である。かくもヴァンパイアの世界は美に包まれている訳か〜と妙に納得したが、女性は殆どテーマの上で(実は)重要ではない。そういう意味でまず「男の映画」である。

見終わった率直な感想としては、この映画は聞いていた通り結構深いテーマで面白かった。こういう映画は好きである。

まぁ、男的視点で「ヴァンパイアが出てくる映画」というと、「やっぱ美女よね!」と襲う立場で見てしまいそうだが(ぉぃ)、この映画は基本的に「ヴァンパイアの苦悩」にテーマがあたっているので前述の通り美女は殆ど出てこない。あくまでも人間は食料であり、女性はその中でも「調達しやすい食材」という位置付けである。

この徹底振りはある意味潔く、変に恋愛感情だの無駄なお色気シーン*1などを入れなかった事で用意されたテーマだけに集中してみる事が出来る。ここで女性ヴァンパイアとの運命的な出会いなんかが入ってきちゃうと、きっとこんなにスマートにのめり込んでは見れなかったんじゃないかと思う。*2

というワケで、ヴァンパイアの世界における男の友情と、人とヴァンパイアの狭間で揺れ動く主人公の物語と言う点で、とても「男臭く熱い男の映画」だ。映画界屈指の美男子達が演じているので暑苦しくなく、女性が喜んで見れてしまう点が悔しい限りではあるが。(何を言ってるんだ俺)

インタビュー形式というのは決して珍しくはない手法だが、時代を超えて語られるヴァンパイアの世界と言うのが1人称の視点で捉えられているので、とても判りやすい。また、人間の世界(交わり)を殆ど描かず、ヴァンパイアとしての世界だけを語っているところもダレる所がなく緊張感を持って見る事が出来た。


それにしてもあれだけ貴族してられる資産はいったいどこから捻出してるの?とか妙に気にならないでもなかったが、そのあたりはレスタス(トム)があっさりルイス邸(ブラピ)に入り込んだ感じからして、お手の物なんだろうな〜と思ってみたりもした。

かくもヴァンパイアの世界は魅力的であるが、苦悩に満ちた世界でもある。最後に記者が言ったセリフは、人間の心の代表であり、悲しくも人の心をもったヴァンパイア・ルイスがどちらの世界からも理解されない孤独さ持っていることを表していた。切ない物語である。

*1:演劇場での女性のヌードシーンは残虐性を表現する上でとても重要だったと思う

*2:っていうか、女性ファンが暴動を起こしかねないか?:p