みた、こと。きいた、こと。

合言葉はSite Seeing

SNSは家か。

昔、「ホームページ」という言葉があった。インターネット上に何らかのコンテンツを発表する人が、自分のページ、情報を発信する場所として作ったサイトをそう呼んでいた。
内容は人それぞれ。おもしろい話もあれば、趣味の話もある。動物、ペットの写真や、音楽や他の人がホームページを作るための素材を提供しているところもあった。
しばらくして、CMSが流行り始めた。その言葉自体はあまり使われないが、いわゆる「ブログ」や「Wiki」がその一種。

「ホームページを持つ」という言葉は、いつしか「ブログやってる」に変わってきた。
その頃、また別の側面として「SNS」が登場していた。当時は今ほど規模も大きくなく、会員制や招待制がほとんどで、ホームページやブログに比べてオープンな場所という感じではなかった。
それもそのはず、SNSは「ソーシャルな関係に重きを置くサービス」であり、むしろクローズな関係が基本だったのだから。
ただ、そのSNS上で出来ることはホームページ、いやブログに近かった。日記とかコメントを入れて。
この頃から。
この辺りから、当時のホームページの意味合いは「マイページ」と呼ばれることが多くなってきた。
ホームページやブログが「自分が発信する情報」が主で書かれているのに対し、マイページは「自分と繋がっている誰かの情報」が主で更新される。自分の情報も当然更新されるが、自分が更新している自分の情報はあまり重要ではないので、「コメント」や「メッセージ」「他の人の日記」「アクセス履歴」などの他の人に関する情報が主だったのだ。

ホームがマイに変わった。

よく。いや、それほどよくという話ではないかもしれないが、
「SNSは実際の住所と同じで、ネットワーク上の自分の家みたいなものだ」
という話を聞くことがある。むしろ自分の部屋という方が近いかもだけど。

それ自体は確かにそういう側面はある。そして、実際の住所と違い、自分が引っ越しても、会社を替わったりしても、電話を換えたり、インターネットへの接続手段、携帯電話やパソコンを変えてもいつでも繋がれるという意味で、かなりコンタクトがしやすい場所であるといえる。メールとして手紙も置けるし、最近はIP電話も繋がる。

だから便利なんだよ、と。


確かにそうかもしれない。でも、自分は逆にこうも考えている。

「だからこそ、いなくなるのも簡単だよね」

と。


SNSは家なのか。ホームではないが。