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合言葉はSite Seeing

万人は万人なのか。

よく。至極一般的な言葉として。
『万人』
という言葉がある。
これ、普通に使う言葉なのに、実は定義がすごくあいまいだったりする。一般的な辞書で引くと判るんだけど、この言葉の定義はだいたいこう書いてある。

万人(ばんにん、ばんじん)
すべての人。多くの人。

個人的には「すべての人」と「多くの人」は、意味は違っていると思う。「一部の人に限らない」という意味ではどちらも同じ解釈が出来るが、それでも「すべての人」と「多くの人」はやはり異なる意味だと思う。

よく。至極一般的な言葉として。
『万人受け』
という言葉がある。
これを、先ほどの言葉の定義で3種類考えてみる。

  1. 一部の人に限らず受ける
  2. 多くの人に受ける
  3. 全ての人に受ける

大分意味が違う。解釈が違うと言うべきか。


よく。至極一般的な言葉として。
『一般的』
という言葉がある。というか、使う。
一般的って何だろう。肯定的な意見を言うときにも、否定的なときにも使える、ある意味万能の言葉。
意味としては『広く世間に認知されている事柄』とか『全体を取り上げる様』などとの解釈があるが、やっぱりこれもあいまいだ。

『それ、一般受けするんじゃない?』
『これは万人受けしない』

この言い方自体は間違っていないが、人によっては解釈が違ってくる怖い言葉だと思う。

たとえば100人が100人とも受けるものがあれば、それは間違いなくすごいものだろう。でも、現実的にはそんな事はなかなかない。まず、ない。その事柄自体に興味が無い人もいるワケで、その人も含めるのはどうだという話だ。

では、100人中10人ならどうなのか。それを一部とすることも出来るが、そもそも興味が無い人を除いてその全てがその10人であるならば。それは十分に受けたのではないだろうか。全ての人、100人に受けなければいけない理由が無い場合もあるし、それを目指すのはまず無理なのだから。

そのチャレンジが。それは何でもいい。商品でもいいし、サービスでもいい。

それが全ての人に受けることを目指していなくて、それでも人数として1万人に。数字自体に意味は無いけど、1万人に受けたのであれば。その1万人が、興味を持つ人の割合としてかなりの高いのであれば十分に「万人受け」したと言えるのではないか。


『一部の人に限らない』という意味で使う場合には、『万人』という言葉は誤解を生むという意味で、ちょっと怖いよね・・・と、感じていたりする。むしろ、英語の『メジャー』『マイナー』『ニッチ』の方が使いやすいと感じている。きっと、あいまいな感じが。いや、うさんくさい感じがいいんじゃないかと思っている。