わない と えない
普段からあまり衝動買いみたいなことはしない性格なので、お昼のご飯も高級なものが食べたい!とは思わないのであまり高いものは買わない。・・・わない。
日本語が難しいな?って思う瞬間は結構たくさんある。たとえばこの「わない」だ。これを「えない」に変えてみる。
「買わない」→「買えない」
たった1文字変えるだけで、かなり意味が変わってくる。そして、気持ちも変わってくる。
「買わない」というのは自分の意思でとる行動であり、自分の価値観として納得してやっているものだ。「ステキな洋服を見つけたけど、もう直ぐ待ち合わせの時間だから今日は買わない」とか「マジで限定版!?すげー欲しいけど今月はピンチだから買わない」。どちらも自分で納得した意見となる。
だが、これを「買えない」にすると、自分の意思とは関係のない何かしらの要因によって妨げられているという状況に変わってしまう。「ステキな洋服を見つけたけど、もう直ぐ待ち合わせの時間だから今日は買えない」とか「マジで限定版!?すげー欲しいけど今月はピンチだから買えない」どちらも自分では諦めきれていない言葉となる。
「買わない」と「買えない」では、自分の心の中に残る感情は全く違うものになる。「買わない」はそのうち忘れていくものだが、「買えない」は下手するといつまでも心の中で燻ることになる。そして、この「えない」の要因が自分の事情ではなく、他の人との事情により選択された場合には残るものは「仕方がないか」の一言では済まないほどにわだかまりとなって心の奥底に残ってしまうことがある。
もちろん「買う」という言葉だけに限ったものではない。「らない」「れない」などと活用が違う場合もある。
「言わない」→「言えない」
「触らない」→「触れない」
「見ない」 →「見れない」
「聞かない」→「聞けない」
「食わない」→「食えない」
「食べない」→「食べれない」
この「れない」の要因が何なのか?というのは隠れた重要な問題であり、これがどういうものなのかを考えることが大事なんだと思う。もし、相手が「れない」を使っていた時、その要因が自分にあるのだったら?その時は自分の事として考えなくてはならない。その見極めが大事だ。
「我が家は貧乏なんだから、そんな物は買えない」
それは私のせいですか?・・・ふ、不景気が悪いんですよ。不景気が(涙)