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タイムライン

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船や飛行機に頼らない新たな物資輸送のシステムとなる「物体転送装置」を作り出そうとしたハイテク企業が、偶然作り出してしまったものは14世紀のフランスへのタイムマシンだった。だが、事故により送り込まれた考古学者が戻ってこない事態に。このままでは歴史まで変わってしまう。彼を連れ戻す事は出来るのか?そして、歴史は変わってしまう事はないのか?!

というストーリー。
ストーリーだけだと、ありがち感満載。見始めた頃は「あー、タイムマシン。ね」とか冷めてみていたんだけど、意外や意外。ストーリーが進むうちに盛り上がっていく展開。戦闘シーンの迫力もさることながら、最も重要な歴史という伏線を見事に織り上げている。正直、久しぶりに感動した作品だった。いろんな意味で。

というわけで、ココから先はネタバレ的に。出来るだけ押さえるけど。

そもそも、タイムマシンが「どういう仕組みで作られたか」とかの「原理」なんてもんは、存在しない現代においてどうこう議論した所で意味が無い。だから、「何故だかそこにタイムマシンがある」という所は実はさしたる問題ではない。あくまでも導入の為のネタでしかないのだから。

むしろ、重要なのは先程も述べたが「伏線」の部分だ。「過去から未来」に行く時にはなんでもありでOKなんだが、「未来から過去」に行く時には「過去あっての未来」な訳で、そこにタイムパラドックスが起こる。

世に数多あるタイムトラベルな映画にはこの辺りをいろいろと作り上げている訳だが、その多くは「過去は変えられる」という「夢のある設定」を採用する事が多い。「イルマーレ*1や「オーロラの彼方へ*2なんかがそれに当たるんじゃないかと思う。逆に「過去は変えられない」という設定を採用する映画もあり、「ニューヨークの恋人」なんかがそれにあたると思うが、これは映画にする上では結構難しかったりする。なにせ、「過去は変えられない」とすると夢も希望も映画において重要なスリルもないストーリーとなってしまう事が多いからだ。

その点、この映画はうまく出来ていると思う。過去は変えられるの?それとも変えられないの?という部分は見てからのお楽しみとして欲しいとは思うが、全体を通して見終わった時に、きれいによくまとまっているな〜と感心してしまった。強いて突っ込み所があるとすれば「それにしても長い6時間だったな」という点ぐらいだった。

戦闘のビジュアル的な部分もかなり良く出来ている。夜戦の迫力はこの映画の醍醐味の一つだろう。また、この映画の中では「いい奴」と「悪い奴」が明確に分かれていて、悪い奴がそれなりの結末を迎えるという点は何とも納得感と満足感が高く仕上がっている。


最後に一つだけヒントを出しておこうと思う。
「レディー・クレアの悲劇は "伝説"」だ!
現実を直視しろ!以上!

*1:イルマーレ:過去記事→id:kenbot3:20041211

*2:オーロラの彼方へ:過去記事→id:kenbot3:02041214