みた、こと。きいた、こと。

合言葉はSite Seeing

安心と手間と安全と。

会社のメールシステムのセキュリティーレベルが上がった。

といえば、聞こえがいいが、使う側はとにかく面倒になった。面倒とか言ってる場合じゃない。不便。いや、相手に迷惑をかけている。

具体的にいうと、添付ファイルを送るときがとにかく面倒になった。

Step1.添付ファイルつきメール送信
  • 添付ファイルはサーバ側が暗号化してアーカイブするので圧縮してはダメ
    • アーカイブ名はサーバ側でランダムに設定されるため、ファイル名から中身の推測は不可
  • 送信メールはいったんサーバ側で送信保留にされる(※1)
    • 送信保留確認メールが送信後にだいぶ経ってから送られてくる
  • メール内から確認用リンクをクリックすると、確認画面が表示され、すべてOKにチェックする
    • 送信先アドレスのチェック、添付ファイルの内容チェック、文章内、件名の記載内容チェックなど
    • 確認用リンクのクリックまでに時間がかかると、自動的にキャンセル扱いとなって相手に送信されずに破棄される
  • OKを押して送信をすると、暗号化されたファイルが相手に届く
Step2.パスワードファイル送信
  • Step1のメール送信後、自分にパスワードメールが「個人宛」に送られてくる
  • そのパスワードメールを送信先個別(相手先メールアドレスごとに異なる)に別メールで送信する
    • 送信したメールに返信で送ろうとしても送り先アドレスごとにパスワードが異なるのでNGという感じになる
    • 相手先が多ければ多いほど面倒
    • 送り先に対し、共通パスワードの設定などは出来ない
  • 送信メールはいったんサーバ側で送信保留にされる(※2)
    • 送信保留確認メールが送信後にだいぶ経ってから送られてくる
  • メール内から確認用リンクをクリックすると、確認画面が表示され、すべてOKにチェックする
    • 送信先アドレスのチェック、文章内、件名の記載内容チェックなど(添付ファイルは無い前提)
    • 確認用リンクのクリックまでに時間がかかると、自動的にキャンセル扱いとなって相手に送信されずに破棄される
  • OKを押して送信すると、パスワードが記載されたメールが相手に届く
  • (※1)から後ろと流れ的には同じ。
    • これが、添付ファイルの送信先数分(パスワード数分)繰り返される

とかそんな感じ。実際はもう少し違うけど。

見て分かる通り、たとえ相手が1人でも、1通の添付ファイルつきメールを送るのに6通のメールが飛び交う。

  1. 自分の送ったメール(送信簿)
  2. システムから帰ってきた確認用メール(受信簿)
  3. システムから帰ってきたパスワードメール(受信簿)
  4. 自分が送ったパスワードメール(送信簿)
  5. システムから帰ってきた確認用メール(受信簿)

そして、この間はシステム側で処理が入るので、即時ではなく場合によっては結構時間がかかることがある。



特に保留確認メールはいつ戻ってくるか分からないし、戻ってきたのを見逃すと勝手に破棄される。自分は送ったつもりでも、相手にはまったく届かないという安全設計。

また、暗号化されて送られる添付ファイルも、送られてきたパスワードが無ければ何のファイルだかさっぱり分からないという安全設計だし、自分以外の人のパスワードが送られてきてもそれぞれが一致しないと中身が見れない安全設計。

安全と安心を手間で買うのは間違いではない。だからこの仕組みが間違っているとは言わない。


でも、自分の手間はもちろん、相手にもいろいろと迷惑をかけている気がする。


メールを送るのが億劫になるほどに。

今でもメールが嫌いなのにさらに嫌いになってきた。