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みた、こと。きいた、こと。

合言葉はSite Seeing

抜刀と納刀。

なんだか突然にモンハン話。ある意味、ゲームのUIの話。
先日、Vita用に「ラグナロクオデッセイ」というゲームの体験版が配信された。巷では、「モンハンそっくり!」とか言われているらしい。一応、ダウンロードして試してみた。それの感想については、好みの問題だし、基本的には面白かったんだが、それよりそのゲームをやってみて「なるほど、モンハンのUIはやっぱり考えられていたんだなぁ」という感想に至った。
なんでやねん!
と、思われるかも知れないけど、以下はその話。
ラグナロクオデッセイの話を期待した人はごめんなさい。
あと、別にモンハンを持ち上げると言う話でもないです。単なるUIの話だし。

UIは用途により様々に変化する

「UI」。ユーザインタフェース。
いまさらの話だけど、UIというものは、どんなものにでも存在し、その設計はとても重要なものだ。
それを極限まで切り詰めて成功した例が「iPhone」などであり、ハード的なボタンは1つしか存在せず、それ以外は全て画面を直接触るタッチパネルによるUIで様々な事が出来るようにしている。
逆に、パソコンなどは「メチャクチャ多い方」に分類され、極端な例まで良くと、飛行機やスペースシャトルなどのコックピットは「もはや常人には理解不能」なレベルにまでなっている。
UIというのは、設計をする段階で「それを利用する人に必要な範囲で提供されるもの」であり、設計が大事である。良くも悪くも設計であるが、ターゲットとする「利用する人」をどう想定するのかでも、大きく変わる。

で、なんで急にこんな話になったのかと言うと、『ラグナロクオデッセイ』をやったときに『なんでモンハンに近いとか巷で言われているのに、ワナや爆弾が無いんだろう。っていうか、ガードが2ボタンなんて面倒じゃないか。なんで1ボタンで出来ないんだろう』と考えたところから始まっている。

その結論として、『ラグナロクオデッセイ』は『常時抜刀状態』であり、『モンハンは抜刀状態と納刀状態を切り替えられる』という違いに気付くに至った。

モンハンにおける納刀状態の必要性

モンハンを始めた頃。納刀状態がある事が不満の一つだった。

抜刀しないと攻撃できず、その武器を出す動作自体も遅く、抜刀状態では走れない為に納刀に戻さなければならないという制約に、イライラしたものだった。

いつの間にか。いつしか、その制約と操作に慣れてしまい、イライラはしなくなった。むしろ、疑問を持つ事も無く、それが普通になっていた。

先日、ラグナロクオデッセイの体験版を遊んでみた。

モンハンと同じ様な画面で、操作も似ている所があったが、納刀状態が無い事に気が付いた。

常時抜刀の為、いつでも攻撃が出来、いつでも走り回れた。アクションはより攻撃的になり、スピード感もあった。

攻撃がバンバン入れられることに爽快感を感じつつ、出来ない事が増えているのに気が付いた。

ワナの設置が出来ない。
爆弾の設置も出来ない。
アイテムは3つしかもてない。
ガードも2ボタンでしなくてはならない。
他にもいろいろ。

どうして出来ないんだろうと考えた。

そして、『逆に、どうやったらこれらを追加できるか?』と考えた。
だが、『既に可能なボタン操作は埋まっており、実現できない』という事に気が付いた。

でも待てよ?モンハンは出来るじゃないか・・・と。


そして気が付いた。
ワナの設置も、爆弾も。そして走り回る動作は「全て納刀状態」だったな、と。

ガードは、走る時に使うボタンと同じボタンを使う。だが、これは「抜刀状態」であり、走れない状態であるので使える事に問題は無かった。
アイテムも「抜刀状態」では使えず、「抜刀状態中にこのボタンを押すと納刀」になっており、「納刀しないとアイテムが使えない」仕様だ。*1

モンハンの場合、この2種類の状態変化により「出来る事を制限する事で、可能なアクションを増やしている」という当たり前の事にいまさら気付いたのだった。

ゲーム性とUIの関係

当たり前の話。ゲーム機はボタンの数は最初から限られている。
ゲームを作る上で、遊ぶ上では、コントローラーのボタンに配置される機能は、とても重要な要素を閉めている。そのボタンの数が限られている以上、出来る事にも制限が発生する。
ボタンが少ない場合の「一つの解決方法」として、iPhoneなどのスマートフォンに代表されるように、タッチパネルによる操作も選択肢としてあり、Vitaでもそれが可能な様になっている。
だが、当然それには向きと不向きがある。必ずしもタッチパネルで解決するとは限らないのだ。
無論、ボタン操作もタッチパネル操作も、数が少なければ少ないほど理解はしやすくなる為、万人には受け入れられやすい。
だが、反面として出来る事が少なくなる為、遊びの幅は狭くなる。幅を広げる為に、ボタンやタッチ操作の押す回数や時間を増やしたり、メニューで階層化したり、ボタンの同時押しなどの組み合わせで対応する事も出来るが、それでは1つ1つを実行したりするのに時間もかかるようになるし、操作そのものの理解が難しくもなる。
何か問題が発生したときに即時性が求められる飛行機のコックピットは、操作の理解が難しい点を犠牲にして、この為にボタンやレバーなどが大量に配置されているワケで。2度押し、3度押し。長押しなどで対応している時間はない。ゲームとの対比としては例が悪いけど。
モンハンの場合。
ゲーム中に出来る事は結構多い。すごい多いというほどではないだろうが、飽きない程度には多い。それを実現する為の一つの方法が『抜刀と納刀の2種類の状態を設定する事』だ。
こういう所にも、明確にコンセプトを決めてUIの設計が行なわれていたんだな・・・という事をすごく理解できた気がする。
ほんと、いまさらだけど。

*1:片手剣については、抜刀中もアイテムが使用できる特殊な武器だが、この場合は通常のボタン操作と異なり、「ガードボタン」と同じボタンを組み合わせて使う様になっている。