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合言葉はSite Seeing

Wi-Fiの位置情報サービス。

会社の人とVitaの話をしていて、会社の人から質問というか結構疑問が出てきたので、こんな説明をした。さっきまでの補足的な感じ。
内容的にはVitaからは少し離れるけど。(タグはこのままで)
まず、単純な話として。

『位置情報を測位する考え方としては、GPSもWi-Fiも大体同じ。仕組みが違うだけ』

である。
位置が判っている情報を元に、自分の位置を推定・測位するという点で。
より、具体的な説明とするとこんな感じ。GPSは普及してから長いから説明するまでも無いけど。

GPSによる位置推定

地球上を回っている人工衛星を複数捕捉し、そこから送られてくる時間情報を比較する事で、各衛星の時間のズレから距離を計算し、計算結果として自分の位置を測位する。衛星数は約30個。内、常時4〜8個程を捕捉する前提。
人工衛星は常に移動しているが、現在位置は人工衛星側から時間の信号と一緒に送られてくる。

Wi-Fiによる位置推定

地上に設置してある無線アクセスポイントを複数捕捉し、それぞれの電波強度を比較する事で各アクセスポイントとの距離を推定し、計算結果として自分の位置を測位する。無線アクセスポイント数は無数。
アクセスポイントの位置は、事前に位置情報サービス会社がデータベース化しており、このアクセスポイント名(実際はMACアドレス)をサービス会社のサーバに送る事で、それぞれの位置が送られてくる。*1

である。
Wi-Fi版で位置情報を把握するのに、ネットワーク接続が必要なワケがわかっていただけたろうか。
どちらも、捕捉した衛星の数、アクセスポイントの数が多ければ多いほど、位置精度は上がる。
GPSは屋内やビルの谷間みたいな空が見えない所を除けば、地球上どこでも自分の位置をほぼ特定できる。通信手段の無い、山奥や海の上でももちろん大丈夫。*2
だが、Wi-Fiの場合は、位置を特定できている無線アクセスポイントが設置していない場所(Vitaの場合はskyhookサービスエリア外)では、通信手段があろうが無かろうが、位置の測位は出来ないという事になる。サーバに位置情報を問い合わせても、『そんな場所、知らない』と言われるだけの話で。
かなりVitaの話からは逸れるけど、この『位置測位済みの無線アクセスポイント』については、基本的には各種プロバイダなどのアクセスポイントだったりするが、現在では個人宅にある無線LAN(のMACアドレス)も登録されていたりそうだ。
各端末のGPS情報を使ったり、既知の測位情報を使ったりしつつ、未知の無線アクセスポイントについてもその位置を推定し、新たなアクセスポイントとして登録する形となっている。この未知の無線アクセスポイントについては、一般の家庭の無線LANも含まれており、ここ数年の家庭内Wi-Fi機器の普及により、無線LANを設置している家庭が増え、さらにスマートフォンの普及により、ほぼ自動的にという形で、その情報の登録と更新は日々行なわれている状況だったりするらしい。
そんなワケで、条件こそあるけれども、Wi-Fi版のVitaでも位置情報を取得する事は可能だったりするので、"near"も利用できますよ!
というお話。
素人のにわか知識なので、説明の詳しい部分は間違っているかもしれないけど、会社で話題が出たので勢いで書いてみた。

*1:無論、設置している機器自身、MACアドレス自体には位置を示す情報はない。あくまでも、それを別に測位した情報の検索キーとして使っているダケである。

*2:一般的な携帯電話やスマートフォンの場合、このGPSの仕組みにWi-Fiの仕組みと類似するが携帯基地局の位置と電波強度を元に位置を測位する機能がある。この2種類の仕組みを切り替える事で、屋外でも屋内でも利用可能な位置情報サービスを提供している。