みた、こと。きいた、こと。

合言葉はSite Seeing

"ことわざ"と"かんようく"。

『五十歩百歩』とか『石橋を叩いて渡る』とか『水泡に帰す』とか『ぬかに釘』とか。こういうのは『ことわざ』だと、知っている人なら誰でもそう思うだろう。

『ことわざ』の定義は、
 『先人が経験にもとづき、古くから伝えられてきた例え』
と、いえる。いや、むしろ『ことわざ』として認識されているものは、そういう(事実かどうかは置いておいて)『具体性のある事例的なもの』が多く、語源の背景が見えるものと大雑把に認識されているのかもしれない。先の定義だけでいえば、
 『小耳に挟む』『図に乗る』『似たもの夫婦』『鼻が利く』
こういうものも実はことわざになる。だが、これらはどちらかというと『慣用句』という区分けになることがある。

"ことわざ"と"慣用句"の違いを定義付けることは難しい。どちらも同じようなものだからであり、人によっては解釈が違うこともある。だが、大まかな違いという意味では、
『ことわざが単独で教訓や格言を意味するのに対し、慣用句はそれらを含まない日常の比喩表現の一種』
と、言える。


現代社会、情報はどんどん加速している。たくさんの情報がだれもが追いつけない速度で行きかっている。一つの失敗が二つの失敗を生まないように先に手を打たれる時代。
そういう意味では『教訓の共有による格言への昇華に至らない』ことから『あたらしいことわざ』はなかなか生まれにくくなっていると思う。*1 だが、昇華しきらない形での『あたらしい慣用句』は次々生まれていると言ってもいいのかも知れない。*2
『古くから』の部分はとてもとても短い時間になっているのかも知れないが。
それが何かはあえて書かないが。

*1:ことわざではないが、数年前には『マーフィーの法則』などが流行っており、こういう形でのことわざ表現というのが実は存在しているのかも知れない。

*2:生まれていくのと同時に、消えていくのもまた早いのだろうが。