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合言葉はSite Seeing

61%高い?

以前、情報の「タイトルの付け方がおかしい」という事を記事にしたこと *1 がある。個人の日記サイトなら別に個人の趣味だからいいけど、そうじゃない、特にニュースサイトの場合はそれは明らかにミスリードになると思う。

タイトルだけじゃない。中に書いてある数字は特に問題だと思う。

今日、こんなニュースが載っていた。本文は消えると思うので、部分的に抜粋する。

スニーカーを年3足以上購入する人、リーダーの素質大=米調査

 [ニューヨーク 1日 ロイター] 年に3足以上のスニーカーを購入する人たちは、そうでない人たちと比べて、リーダーの素質をより多く持つ傾向があることを示す米調査結果が発表された。(中略)
 それによると、年間3足以上スニーカーを購入する人たちは、そうでない人たちと比べ、アイデアやビジョンといった現代のリーダーとしての資質を持っている率が61%高かった。このほか、積極的に自己主張する率が50%、より自発的である率は47%、それぞれ高かったという。

(2008年 04月 2日 11:43 JST)

ニューヨーク、1日って所で「エイプリルフールのネタ」の可能性は否めないが、日本時間的に2日なので、一応マジメにレスしてみる。突っ込みたいポイントはニュースの本質と関係ないから。

このニュース。結論ありきである。
「リーダーの素質がある人の傾向を探し出す」
と。だから、そこには根拠の様なものはなく、とりあえず統計的というか数字的に出た事実を元に推論で話を持って行っている。それについて今回はどうこう言うつもりはないが、気になったのは最後の段落の部分だ。そこだけもう一度引用する。

年間3足以上スニーカーを購入する人たちは、そうでない人たちと比べ、アイデアやビジョンといった現代のリーダーとしての資質を持っている率が61%高かった。

だ。

「3足買う集団」と「買わない集団」があり、その差が「61%」だったと言っている。なるほど。

だが、差の上限は100%以外ありえない。となると、仮に「3足買う集団」が「素質を持っている確率が100%」だったとすれば、「買わない集団」は「39%」になる。その差は「約2.6倍」だ。だが、100%って事はないだろう。

仮に「3足買う集団」の素質を持っている確率が「80%」とするならば、「買わない集団」は「19%」って事になる。その差、「約4.2倍」だ。どちらの場合でも、「パーセントで優位さを表現するより、倍数で表現した方がインパクトは大きくなる」ハズだ。


となれば、だ。そういう表現をしていないという事から考えると、この文章は本来こうなるハズではなかったのか。

年間3足以上スニーカーを購入する人たちは、そうでない人たちと比べ、アイデアやビジョンといった現代のリーダーとしての資質を持っている率が61%高かった。

最後に一文字、「と」が抜けているんじゃないだろうか。だが、そう解釈したとしても「そうでない人たち」が実際何パーセントだったのか判らないので、比較になっていない。記事としては重要な部分の情報が足りないことになってしまう。


原文の方を確認していないので、単なる誤訳かも知れない。いや、もちろん真実(の一端)である可能性もあるし、そもそも冒頭にも書いたが、エイプリルフールのネタかも知れない。だけど、ニュースサイトとして情報を載せる以上、この辺りの数字はちゃんと「情報として意味のある形」にそろえて欲しいと思う。


独り言だけど。勢いで書いてみた。

*1:タイトルの付け方:過去記事 ⇒ id:kenbot3:20061108:1162950961