会社からの帰り道。すでに閉店時間を過ぎた喫茶店の前を通った。深夜の遅い時間にも関わらず、珍しく店内は薄く明かりが点いていた。
不思議に思い、立ち止まらずに横目で店内を覗き込んだ。すると入り口から８ｍ程奥のカウンターで、店主と見られる女性が袋から容れ物に何かを移し替えている所だった。
しかし、その時。その女性は私の方に視線を向けた。店内とは逆に暗い通りにいる私に。もちろん、窓も開いてない。大きな足音もたてていない。店内からは暗くて見えなかったと思う。
人間には、科学では解明できない『第六感』の様なモノが絶対にある、と思う。
