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バックドラフト

バックドラフト [DVD]
「消防士が活躍する映画って知ってる?」
と質問されたら、たぶんかなりの人が「うん、知ってる。バックドラフトでしょ?」と答えるんじゃないか?という程、有名なこの映画。
今更感想とか書いても仕方が無いんじゃないか?と思うんだけど、とはいえ「じゃぁ、ストーリーってどんな?」と言われると、「えーっと、消防士が活躍する映画・・・かな?」ぐらいあやふやだったりする自分が微妙に悲しい。
って事で、やっぱり書いておこうと思う今日この頃。

あぁ、言うまでもないですがネタバレです。

ユニバーサルスタジオにもアトラクションとしてあるぐらい有名なこのバックドラフト。そのストーリーを簡単に説明すると、

亡くなった父親と同じ消防士を目指した兄弟。署内で一番厳しいと言われる部隊の隊長をしている兄と、そこに新米として配属された弟。だが、彼らはもとから折り合いが悪く、消防士として一人前にするために厳しくあたる兄に対し、その兄との実力の差に落ち込む弟。消防士として挫折を感じた弟は、火炎調査官の元に転属を希望した。
そんな中、市議会の決定で人員削減が進み、休む暇も無いほど忙しい彼らの目の前で連続爆発事故が発生する。その被害者は全て架空会社の税理士だった。爆発は本当に事故なのか。それとも事件なのか。
それぞれの調査を進めていく弟は、火災現場に共通するある事に気が付くのだった。それは・・・。

って感じ。ネタバレとかいいながら、ラストについて書かないのはどうかと思うけど、とりあえずそんな感じで。
しかし、この映画。炎はCGを使っているんだけど、とにかくリアル。もうゾクゾクするぐらい。映画の中で「炎は生き物だ」という表現をしているけど、本当にそうなんじゃないか?って本気で思えるぐらいリアル。
だから、「(炎と戦う)消防士が活躍の映画」としてみた時にはとにかく迫力があるのでこのインパクトを持って脳裏に焼き付いちゃうんだと思う。

消防士の映画としては結構エキサイティングで面白いんだけど、それ以外の部分のストーリーや演出に関しては、個人的には「いまいちなんだよな〜」と思う所がいくつかある。特に気になる所を3つだけ挙げて書いてみる。

突入時の服装
勇猛果敢な兄は炎が燃え盛っていても、生存者がいそうな場合には放水や救援部隊の到着を待たずに突っ込んでいく。その行動自体は別にいいんだけど、その時に「胸元が肌蹴たまま」というのはダメだろう。いくらなんでも。防火耐熱の消防服をマントの様に羽織っただけでは防げるものも防げない。演出とはいえ、その辺りはキッチリして欲しいと思ったりする。単に無謀な人じゃん?となってしまうから。
ラブシーンの必要性
この映画、ラブシーンが2回ある。1つは弟のシーン。もう1つは兄のシーン。だが、この2つとも「本当に必要だったのか?」と思う。弟は色ボケだろうそれは?って感じで無断で進入した消防署の消防車の上で事に及んでいる。以前、「SATC」*1で同じようなシーンを見たけど、あれはこの映画のパロディーだったんだろうか、もしかして。で、兄の方と言えば、別居状態だった妻とだ。これでよりが戻るのかと思えば、一夜明けると「子供を惑わせないで!」みたいに拒絶される。なら、このシーンは無い方が良かったんじゃ?マジで。
仕事を選んだお兄さんの悲劇
この映画で一番かわいそうなのは間違いなく「兄」だ。消防士に誇りと責任を持って仕事をしている。だが、仕事が忙しいのは市議会が進める「人員削減」の結果でもあり、個人の問題だけではない。にも関わらず、そんな事情は全く理解してくれず、妻は「貴方が理解できない」といって拒絶、助ける所か別居している。仕事と家庭で家庭を選ばない貴方が悪い的な態度で、ラストがアレじゃ、お兄さんは浮かばれないですよ。

・・・そんな映画。

*1:SATC=SEX AND THE CITY。アメリカのTVドラマ。