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県庁の星

県庁の星 スタンダード・エディション [DVD]
いわゆる「サクセス・ストーリー」にあたる映画は大好きである。
見ていて高揚感があるし、見終わった後の爽快感は、下手なアクション映画の比ではなく、スッキリとするものがある。というか、アクション映画の場合は「周りの被害はどうでもいいんかい!」って突っ込みを入れたくなることの方が多いからかも知れない。私の場合。

以前、好きな映画として「摩天楼はバラ色に」*1を紹介したことがあったが、ある意味でこの「県庁の星」はそれよりも楽しかったと言えるかも知れない。それは何よりもこの映画が邦画であり、私が日本人であるからに違いない。

まず、断っておくけど、私は「織田裕二が好き」だ。*2 年齢的に近くて、ある意味で親近感があるというのはもちろん、この人のドラマや映画で育った世代だからというのがある。
だから、この映画はかなり見たかった映画で、この人はシリアスなストーリーもコミカルなネタも同じレベルで演じきって昇華できる俳優だと思ってる。激ホメ。*3

いつもならストーリーを紹介するところなんだけど、なんかそんな気分にもならないので素直にいろいろと書いていきたい。今回は出来るだけツッコミ無しの方向で。


まず、サクセスストーリーであること。これはやっぱり大事である。いろいろ紆余曲折多難多事なことが起きても、最後は見ていて納得する形で終わってくれる。だが、このサクセスは「主人公1人の手柄ではない」という所が、とても日本映画的で良い。ハリウッド的な「1人の頑張りで世の中変わっちゃうんだよ!」というのではなく、1人がどんなに凄くても、みんなが頑張らないと変わるものも変わらないという事が描かれている。

だが、それだけじゃない。ハリウッド的には「世界を変える」ぐらいの勢いですごいことしまくるのが定番だけど、そこは日本人。日本の映画。それぐらいじゃ世の中は直ぐには変わらないってことも描いている。でも、決して諦める必要はなくて、少しづつでも変えて行く努力が大事なんだ、ってことをまとめている。

あぁ、日本人でよかったって感じ。この映画を見てちょっとそう思った。

そうそう。小物も利いていた。一旦挫折を味わう主人公だが、ヒロインのパートの女性(柴咲コウ)が建設予定地に持ってきてくれたもの。ここ、なんか小物が欲しいよな〜と思っていたんだけど、そこまでのストーリーに前振りの伏線が全然なくて、惜しいな〜と思ったら、突然出てきたある1つの箱。これ、ヤラレタと思いました。突然なんだけど、不自然さはない。枕のお婆ちゃんにお茶菓子を出すような気が利く人だもの、前日にびしょ濡れで帰った主人公をみて、それぐらい気が付くのは別に不思議はない。

まぁ、強いて言えば「いくら電話で聞いたとはいえ、建設予定地がよく判ったな」って所があったんですが、これも実は後でクリアしている。お弁当の宅配を頼まれているのだ。つまり、建設予定地に一番近くて便利なスーパーだったという事だ。悔しいけど、上手く繋がっていると思った。それに、この時の主人公側が残した小物を後でちゃんと繋いでいる。*4id:kenbot3:20070427:1177651755))

あと、もう1つだけ言いたい。この映画は主役2人の映画ではありません。他の人たちもストーリー上、とても重要な役所を担っています。特に店長。最後のあの店長の言葉には、正直泣きそうになりました。*5

そういうシチュエーション、弱いみたいです私。


いいですね。邦画って。今日は少し元気になりました。

*1:摩天楼(ニューヨーク)はバラ色に:過去記事⇒id:kenbot3:20050705:p1

*2:といっても、カミングアウトしているワケではありません。そこの人!誤解しないように!

*3:ま、そういう事情もあるので、映画の評価が高いのは個人の趣向という事で許してください。

*4:何ヶ月もダンボールを放置していたという所にツッコミを入れたいが、私もそういう事件があるのでとても人のことは言えない。いや、もっとヒドイ。(隠し金山(金なし

*5:なんであのタイミングで織田裕二が警備室にいるの!っていうツッコミは、今回ばかりはナシの方向でお願いします。