一瞬の風になれ (2)
前回書いた本*1の『第二部』。これは主に２年目のお話。
とにかく我武者羅だった１年目から成長し、後輩が入ってきたことでまた別の刺激を受け、だんだんと自分の課題が見えてきたような感じの主人公。仲間達と楽しくはしゃぎながら練習を繰り返していくが、だんだんと同じ部活の同級生(控えめな女の子)が気になってきたのであった・・・。
という感じにストーリーが進んできた。流れとしてとても判りやすい。これぞ青春ドラマって展開である。サクサクと読めてしまった。
ちなみに短距離走の選手なのだが、試合のシーンがとてもあっさりしていて面白い。そもそも、試合といっても走っている時間は１１秒ちょっとなので１〜３行ぐらいの描写で終わる。リレーでも１段落で終わる。描写が足りないよな〜と思う反面、そのスピーディーな試合展開ぶりが判り、読み手に想像の余地が残っているという点で不思議な爽快感があったりする。
話が少しストーリーから離れるが、この本の主人公はとても奥手である。顧問の先生が『部内恋愛禁止』と宣言しているといるとはいえ、面白いことに主人公以外のサブキャラクター達は殆ど彼女持ちである中で、とても特徴的になっている。
昨今、映画やドラマ、マンガや小説などでは今時高校生の現実みたいな感じで過激な描写のストーリーが多く取り沙汰されたり、話題になっている中*2で非常に珍しい主人公像だと思った。
というか、昔はこういう設定の主人公の方が普通だったんだけど。いったい、いつから変わってきたんだろうか。
