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クリムゾン・リバー

クリムゾン・リバー デラックス版 [DVD]
週末、この映画をやっていた。実は前にも見たんだけど、親父が見てないっていうんで一緒に見た。
いつもは映画の途中で寝る親父が最後まで寝なかったんだから、それなりに面白かったんじゃないか?と思う。確かに私自身も内容的に忘れていた部分もあったんで、まぁそれなりに楽しめたんだけど、やっぱり見終わった感想は前と同じだった。なんかね、卑怯だよねって。


ってことで、以下ネタバレ。

この映画、いくつもの不条理なポイントがある。そのうちのいくつかのポイントを挙げると大きく分けて『時間経過』と『背景・動機』の2点がある。

で、『時間経過』もさらに細かくワケられるんだけど、顕著なのはラストシーン。刑事の2人がロープウェーで山頂に向かうシーン。さて、夜中に出発したはずなのに、山頂に着いた時はもう『今、10時ぐらい?』ってぐらいまぶしい。太陽はかなり高い位置にある。何時間ロープウェーに乗っているんだよ!と言いたくなる。それに、女性たち2人があの場所に居たという事は、彼女たちもロープウェーで山頂に行ったと考えられる訳で、それなら『最初からロープウェー止めれば事件解決じゃなくね?』ってなってしまう。

ついでに言うと、氷の中に居た2人目の人。あれだけ深い氷の中に見事に沈められているワケだが、そこに沈められた時期がいまいちハッキリしない。たぶん、墓荒らしをしたのは彼じゃないんだろうけど、それでもいくらなんでもあれだけ深くきれいに*1閉じ込められるにはそれなりの日数が掛かるハズ。となると、その前に村で噂にならなくね?って感じがする。あれだけ狭い村だもの。

で、『背景』に話を進めるけど、また謎が解決していないままだったりする所に問題がある。単純に計画したのは誰か?というと、どうやら『母親』らしい。となると、10歳ぐらいの子供にその事を継げ、『お前を死んだことにする』『私は暗闇の誓いで引き篭もる』『だから、後よろしく』というのは如何なものか?と思う。親として。10歳の娘に対して。それより、娘を助けようとするのが親じゃないの?引き篭もってどうするよ。

さらに、氷河の研究をしていたのは『雪崩を起こして村を全滅させるポイントをチェックする』という目的があるんだろうと思える訳ですが、いくらなんでもその計画は無謀すぎ。雪崩起こして、自分たちはどこに避難するつもりだったの?っていうか、どうやって助かる予定だったの?助からなくちゃ意味ないじゃない。それに、この事実を白日の下にさらす!のではなく『村人全滅』にあるのなら、警察を導く必要は無い*2し、そもそも眼科医の所で拳銃を奪った後で助ける必要も無い*3。っていうか、あれだけの拳銃の腕前を持っていたらかなり怪しい。関係者に対して恐怖だけを与えればいいんだから、もっと他のやり方があるはずだと思う。


まぁ、他にもいっぱいあるんだけど、この辺りは原作を読むと解決しちゃうのかもしれない。*4

*1:表面が滑らかって事は、何度か水が流れてなければならない。

*2:導きたかったのは片方だけかもしれませんが。

*3:あれは明らかにもう一人の方でしょう。あんな酷い殺し方をもう一人側が出来る設定とは思えない。それに事情聴取もされているからバレる可能性も高い。それでは2人でいる意味が無い。

*4:タイトルのクリムゾンはたぶん『血』って事でいいんだと思う。