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初恋 (First Love)

初恋~三億円事件の犯人は女子高生だった~ [DVD]
って事で1本目の映画。は実はコレでした。
しかし、映画館での公開前にDVDが発売されているとはこれ如何に。何か間違っている気がする。今、猛烈に。家で見た方が良くなくね?

とまぁ、感想とは無関係な私見は終わりにしておいて、ストーリーから簡単に。

日本犯罪史の中で知らない人はいないぐらいみんな知ってる『三億円強奪事件』のたぶん実は自分が実行犯っていう当時女子高生だった女性の告白という形で語られている。なんだかちょっと回りくどいが、そういう事。

さてと、ココから先は映画の話とかそれ以外の話とか久しぶりにてんこ盛りで書いていきたい。DVDがもう発売されているって言うし、ネタバレはもう勘弁って事で。

なんでこの映画を見ることになったのかは諸事情あるんで省略しますが、流石にこの映画を見るって決まった後では『カレラが三億円事件を知らなさ過ぎる』という事実にまずビビリが入る。そりゃ日本の事件なんて知るワケがないが、事件部分はノンフィクションなんだから、間違いなく『知っていること前提』で作られているハズ。

って事で、物語を語る前に私の物語を告白するんで聞いてもらいたい。不肖私、無い知恵絞って事件のあらましを調べて、辞書に『ねぇ、コレで英語的に通じると思う?』『メイビー』なんて会話を脳内で繰り広げながらメールを書きましたとも。えぇ。何で映画になっちゃうのか?って所ぐらいは知っておいて欲しかったから。
そう、映画の真相はともかく、私のこの部分は間違いなくノンフィクション。かなりのネタバレ。


で、『初恋』。三億円事件を扱った映画としては結構良く出来ていたと思う。一応話のつじつまは合っていたと思うし。でも、かなり自己満足的に作っているのも事実。なんだかちょっと『いやらしさ』を感じた。エロとかHとかじゃなくて。ここまでやっとけば誰でも俺の言いたいこと判ってくれるべ?的な『いやらしさ』。うっわ、その演出いらない。っていうか、無くていい!って感じ。

この映画のテーマは『初恋』である。だから初恋の『甘く切ない』って表現を盛り込みたいんだろうけど、なんだかじれったいを通り越して、後ろ寒いほどのわざとらしさを感じてしまったのだ。今時話題のサッカーでいえば、予定調和的に誰もシュートをしないでパス回しのまま後半ロスタイムまで突入しているような感じ。もうちょっとシュート打とうよ!って感じ。もう、全部パス。しかも直ぐキーパーに戻す。戻しすぎ!!!


って感じのじれったさ。ま、コレだけ話をしていても仕方が無いので、他に気になった点をいくつか挙げておく。

初恋
主人公の女性の『初恋』ばかり視点が置かれそうだが、実は違うって言うところはこの映画のキモでもある。でも、それには最後の本だけではちょっと弱いし、何よりあの本の存在が『どうしてそこに?』って感じが否めなくない。いつ手に入れたんだろう。彼女は。
文庫
そう、本。たしか図書館で借りていたのも同じ本じゃなかったのか?って気がするけど、だとするとあれは返しているハズだし、彼女はどうやってあの本を最後の瞬間に持っていたんだろう。そして、そもそも、手書きであそこに詩が書かれていた理由もよく判らない。書く?普通。あれ、めっちゃワザとでしょう。気付いてね?的に。
証拠
最後に出てくる安アパート。『俺につながる物は何も無い』っていう事は判るが、あのダンボールは何?タバコは許すけど、ダンボールは中身が如何な物なのか?とか思ったりする。そもそも、あんなに何年も何ヶ月も放置されたままのアパート(家賃は払っているんだろうが)が普通に存在できてしまう辺りは時代なんですか?当時の。
関係
あれだけの時間を2人で一緒に行動していたら、いくらなんでも『情報部的には調べがつくんじゃね?』って気がした。
後日
事件後の小旅行のシーン。あれもどれぐらい必要だったんだろうか?という気がしなくも無い。というか、むしろ彼が本気だったんなら、もうこのまま『(しばらく)会えない』とするべきだったハズでは?なんだか楽しそうなデートなのだ。これからやろうとしていた事を考えると、(結局自分の存在を明るみに出すつもりだったんだろうから)それもまた軽率だと思う。
終幕
さて、登場人物のその後がエンディングで「ダレソレ、享年○○歳」とか流れる。これ、個人的にいらなかった。むしろ、無い方がいい。想像の余地が残るから。たぶん、言いたかったのは最後の一人なんだろう。その人をそういう風に言いたかったから、他の人も出さなくちゃいけなかった。でも、やっぱりいらないよ。だって、そうだってわかるもの。十分だもの。

でも、事件の部分は殆どおまけ的にあまり作りこんでいなかった部分は評価できるかもです。だって、そこだけ時間をかけてリアルにしても、そこはみんな知ってるっていうことだけで終わってしまうから。

ま、コレもまた新たな真実の一つであるのかも知れません。

*1:映画サイトにありがちな、画面サイズが狭いと完璧に置いてきぼりを食うので注意。なんのコントロールも出来ません。