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ダ・ヴィンチ・コード

ダ・ヴィンチ・コード〈上〉
金曜日に『"The Da Vinci Code"面白いです』と、ポスターを指差されて教えてもらった。そういえば、今度映画になるって言うし、しばらくまともな小説を読んでいなかった気がするんで、って事で買ってきた。

面白かったというのもあって、結局一気に読み終えてしまった*1ワケですけど、率直な感想としては『なんて映画向きなストーリーだろう』と。

って、事で映画公開前だしネタバレを抑えつつ、『映画的視点』で書いておいてみたり。って、偉そうだけど『個人的視点』って事で。

まず、この作品。登場する建物は基本的に『実際にあるもの』であり、歴史的背景は『事実に基づいて』いる。だから映画にする上で『新たな建物を考える』必要もなければ『歴史のつじつま合わせ』も必要もない。それはもちろん原作者がさまざまな資料から考察・構成したものであろうという事を考えれば、想像をはるかに超えるほど大変だったんではないか?という気がするが、『映画として』考えた場合はむしろ楽である。だって、『ダ・ビンチが誰か』とか『ルーブル美術館ってどこ?』とか説明する必要が殆どない。

それに、美術品に対しての説明も小説で事細かに行うよりも、明らかに映像にした方が理解しやすく、また魅せ方も工夫できることだろう。重ねて言うが、登場する絵画も殆ど説明する必要がない。

つまり、映画として考えたときには『既に見る側に予備知識が出来ている』という大変有利な状況がある。そして、だからこそ『興味深く見てくれる』というわかりやすい構図が生まれる。


だからこその問題もある。あくまでも現実的背景の束縛がある為、あまり大げさな展開には出来ないという点と、ラストはある程度納得できる終わり方でなければならないという点だ。

前者に関しては実は本作にいいたいことがいろいろある。特に前からこの手の作品として気になっている『そのダイイング・メッセージはどうよ?』*2という点だが、これについては『それが無いとこういう展開には出来ない』という側面が本作に関しては確実にあると思うので、まぁいいかと思うことにした。

後者に関しては『やっぱりな〜』という感じ。たぶん、これ以上も望めないしこれ以下も納得できない。だが、だからこそ『映画的にはキレイな終わり方』に出来るような気がする。個人的には『最後の登場人物』にはやり過ぎ感が否めないというか、それはない方がむしろキレイだったと思うが、どうしても最後にどんでん返しを入れたかったんだろうと思う。


なんか、辛らつな評価をしているようだが、面白かったのは確かです。これはぜひとも『映画を見てから評価してみたい』*3と思った次第です。

*1:たぶん、これから二回目に突入するであろうけれども

*2:過去記事→id:kenbot3:20060217:1140103461

*3:ちょっと著者の『おらおら、おめーら知らなかったべ?』的な『ウンチク大爆発感』が鼻に付くんですが、逆に言えばそれは映画ではスルーされる可能性も大ですし :p