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マシン・コンプレックス

昔、どこかで女子高生たちがこんな会話をしているのを聞いた。
「電卓がムカつく」
と。その心は「パッと計算されるから」だった。つまり、計算が出来ずに悩んでいる自分に対し、迷いもなく答えを出す電卓。そこが彼女たちなりの表現、「ムカつく」になっていたようだ。*1
これ、おかしなことを言っているようだが、的を得ている意見だと思う。私たちは文化を作り上げ、科学技術を進化させて便利な世の中にしてきた。しかし、進んだ世の中では人は常に技術に負け続けている劣等感に苛まれることになる。
自らが作り出したモノならばまだ救いがある。だが、他の人が作り出したモノである以上、それを作り出せない自分は見えない誰か、そしてそのモノに負けたような錯覚に陥る。
身近にある車も家電も既に個人で仕組みを理解し、修理したり改良したりする限界を超えてしまっている。私たちが生み出したものは、もう個人ではその仕組みを理解できない所まで辿り着こうとしている。

その先にあるのは何なんだろうか。

*1:この話を聞いた時は「計算結果がゆっくり表示される電卓とか作ったら面白いかも!」なんて思った。それ、今あっても売れるかもしれない。