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グッドモーニング,ベトナム

グッドモーニング,ベトナム [DVD]
昨日書いた「フック」のロビン・ウィリアムズがちょっと痛かったので、彼らしい作品を書いておこうと思った。以前書いた「ミセス・ダウト*1も彼らしい作品という事で好きなんだけど、この映画も結構好きである。

戦争を語る映画って言うのは両極端だ。中には「正義万歳」的な映画もあるが、特に「戦争批判」な物となると、目を覆いたくなるような暴力的、虐殺的なシーンを見せ付けられたりする。見終わった後にはなんだか胸が苦しくなって、戦争の惨たらしさを痛感させられると共に、気持ちがズドーンと重くなって、なんだか見たことを後悔するような映画すらある。正直、そういう映画はあまり好きではない。

この映画も「戦争批判」と言えるだろう。だが、戦争全体を現しているのではなく、その側面から我々に問いかけて終わる作品だ。こういう映画はむしろ好きである。見終わった後に、気持ちが重くなるのではなく、胸の内に深く染み込む感じだからだ。


特にこの映画の場合、DJという立場の主人公であるので、前線での映像は殆どない。だが、前線で戦う兵士達の姿は場面場面で当時を象徴する音楽と共に強く印象付けられるように描かれており、「戦争の悲惨さ」だけではなく「平和とは何か」そして「戦争と平和」について我々に問いかけている。


実は主人公が語るジョークはたぶん半分も判らなかった(アメリカ人的ジョークのセンスはないのかも)んだけど、そんなことはあんまり関係ない。そもそもジョークなんて物は時代と共に多少なりとも変貌していくだろうから。でも、変貌しないテーマがこの映画にはある。

10年後、20年後に見てもきっと、同じ様な感想をもつ映画だと思う。

*1:ミセス・ダウト:過去記事→id:kenbot3:20050704