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アルマゲドン

アルマゲドン コレクターズ・エディション [DVD]
昨日*1、日本の映画(邦画)と欧米の映画(洋画)を比べた時、「出来事の扱い方が違うよね」と書いた。その欧米的展開の典型的な例として挙げられるものと私が考えているのがこの「アルマゲドン」だ。

なかなか書く機会がなかったので折角だから書いてみることにする。正直に言って、この映画は私にとっては泣ける映画ではなく笑える映画だった。

これまたあまりにも有名なのでストーリーを紹介するのは気が引ける。だが、この映画に関しては一言で表現していいと思っている。

「隕石衝突という地球の危機に立ち向かった英雄たち」

かつてこれほど開いた口が塞がらないほどの強引な展開を見せた映画は他にあったろうか?と、自問自答してしまった程のストーリーに、正直目を疑い、そして見終わった時に予想していなかった疲労感に襲われた。

もうね、見ていない人も少ないだろうから(ホントか?)ネタバレでさらりと書いちゃいますが、この映画で起きている全ての事が適当過ぎるのだ。私が突っ込みたかったシーンをいくつか挙げると以下の通り。

隕石発見
今の世の中、隕石の発見がこれ程遅れることがあるだろうか。ヤベェ!と人類が気付いた頃には既に「あと18日後に地球に衝突」と計算される。そんな日数ではシャトルの準備も間に合う訳がない。あまりにも唐突過ぎる。危機感あおり過ぎだ。
人材派遣
隕石を掘るんだから採掘のプロがいい。理屈はわかる。でも、そんな単純な理由だけで民間人をあっさり宇宙に送るのは如何なものか?と。そもそも宇宙飛行士が何年もかけて訓練を積むのは何故なのか!と問い詰めたい。
爆発事故
一時的に避難した宇宙ステーションで老朽化による大爆発。危機一髪の大脱出!というシーンはハラハラドキドキなのかも知れないが、唐突過ぎない?と疑問を抱かずにはいられない。ロシアの宇宙飛行士を参加させたいからなのかもしれないが、なんとも展開がおざなりだ。
宇宙曲芸団
隕石に着陸するときにもう墜落寸前!という状況でヒャッホーッ!って感じで着陸船をコントロールして見事に着陸。着陸船がグルングルン回っているのにちゃんと着陸する時はひっくり返っていないという偶然はちょっと強引過ぎやしないか?
奇跡の再会
という訳で、死んだと思っていた仲間が方向感覚も怪しいこの世界で偶然バッタリしかもタイミングよく出会っちゃったりするという所はもう泣くと言うより笑える世界。少年ジャンプじゃないんだから。
お涙頂戴
核が作動しないという偶然も「またかよ」って食傷気味だったが、くじ引きで残る人を決めるというやり方ももう違う意味で泣けてきましたよ。挙句に結局くじとは関係なく「俺が残る」って感じだし。
英雄万歳
という訳で残るべく人が生き残ってあっさり帰還。英雄万歳!地球は無事だ!と。世界の平和は俺らが守ったぜ〜と。

とまぁ、やたらと暴言吐きまくった解説をしていますが、ほぼ同じ時期に公開していた「ディープ・インパクト」と比べると、百歩譲って凄い映像だ!とは言えても、感動した!とは私は言えません。というより、ディープ・インパクトはマジ泣きしましたもん。

つーワケで、起こる全ての出来事があまりにも作り物っぽい感じがして、いまいちストーリーに集中出来なかった。これもエンターテイメントだ!と言われちゃうと反論できない部分もあるんだけど、俺らは英雄だもん。うまく行くんだも〜ん!という展開は、もうちょっと考えた方がいくなくない?などと変な日本語で問いかけてみたりして。

*1:ウォーターボーイズ:過去記事→id:kenbot3:20050731