みた、こと。きいた、こと。

合言葉はSite Seeing

アポロ13

アポロ13 [DVD]
という訳で、宇宙というのは「宇宙人って本当にいる?」とか「端っこはあるの?」とか誰もその全容を把握できないほど広大なくせに、地球上の人の夢だとかロマンだとかが凝縮されたような場所という点ではまさに矛盾に満ちた不思議な世界だ。誰もが一度は行って見たいと思う場所だろう。とはいっても、一泊二日で10万円代より旅費が高かったら私はイヤですけど :p

スペースシャトルも無事に宇宙に旅立って、これから2週間ぐらいはいろいろと実験をしたりと忙しいそうだが、無事の帰還を祈ってこの映画を取り上げておきたい。

えっ?これは宇宙船の事故の映画だって?でもさ、ほら。無事に帰ってきたじゃん!

現実に起きたことをまるでドキュメンタリーの様に描いている映画は他にもいくらでもある。でも、そういった作品の中でもこの映画の完成度は間違いなくトップレベルにあると思う。

そもそも私たちは「アポロ13号」の事故の全容は興味はあっても知らないことは多い。結果として彼らが無事に帰ってきたことだけは判っているが、その過程がとてもスリリングであり、如何に彼らが限られた時間の中で全力で戦い抜いたのかを見せてくれる。宇宙に挑むという事がどれほど危険に満ちているのを教えてくれる映画である。


そう。私たちはこの映画を見る時に、基本的な知識として「奇跡の生還」という言葉を知っている人が多いだろう。つまり、これは本来映画における最大の「ネタバレ」に該当するところなのだろうが、事実を忠実に再現した映画で結末が変わるという事はありえない。だから、私たちはどうやって生還したのか?という単純なことだけを考えればいいので、どうにも飽きそうな気がするがそれは無い。

理由は「宇宙は私たちの知らない空間だから」だ。私たちは知識として「宇宙がどういう所なのか」は多少知っていたとしても、実際に行ったことが無いのだから「どうやって対処したらいいのか?」などという事はもう自分の経験の範疇外である。まさに未知の世界。


よくアクション映画などで工場が爆発するシーンがあったり、車のカーチェイスなどがあったとする。でも、私たちはそういうシチュエーションに対してある程度の免疫があるワケだ。映画として何度も見ているという事もあるかもしれない。でも、それ以前に「物理的に理解可能」なのだ。車同士がぶつかったらどうなるな?とか、爆発しそうならどこに隠れればいいかな?とか。

でも、狭い宇宙船の中で起こる出来事はともかく、その対処方法に関しては私たちのそれこそ「想定外」の対応でクリアしていくのだ。もうね、なんか泣きそうになりますよ。本気で。


とはいえ難点という訳ではないが、逆に言えば「ちょっと地味な部分がある」という所だ。演出や時間配分などは映画としてうまく魅せてくれたり省いてくれたりしているんだろうが、でもあまり派手にしてしまうとリアリティーがなくなってしまう。だから、この映画は人によって評価が分かれてしまうんだろう。

エンターテイメントというよりも、これは「ドキュメンタリー」である。これが日本人だったら間違いなく「プロジェクトX」で採用されていたに違いない。・・・雰囲気変わるか。