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映画と演劇

劇団四季ミュージカル「CATS」ロングラン・キャスト
映画、ではないんだけど、伝説的ミュージカル。そう、「CATS」。観てきました。もう、観劇して感激。CATSについて細かく語ったところで、そもそもこの日記で書くのはコンセプトが違い過ぎるので、あっさりと方向を変えて書いてみたかったこと。「映画と演劇の違い」について。

CATSの公演時間を調べてみると、1回休憩を挟んでトータル2時間半。まぁ、他のミュージカルなんかも大体それぐらいで2〜3時間ぐらいが普通だと思う。そもそも人間の集中力は1時間半とも言われているので、映画やミュージカルがそれぐらいで終わるのはもともと理に敵っていると思う。っていうか、3時間ぶっ通しで見るのは辛いと思う今日この頃。それが歳のせいではないと思いたい。

そういう意味では映画も演劇も同じ時間の中で行なわれる。それぞれ少しくらい場内で見るという点も同じだ。では、その特徴をまずは整理しておきたいと思う。

映画

  • ジャンルは豊富
  • アクションなども派手
  • 字幕などで海外モノでも楽しめる
  • 途中で休憩はない
  • アップなどで切り取られた映像
  • どの席で見ても観られる映像は同じ
  • 記録された映像(再生可能)

演劇

  • ジャンルは豊富
  • 舞台表現が大掛かり
  • 途中で休憩が入る事がある
  • 切り取られていないどこを見ても良い舞台
  • 見る席によって体験は異なる
  • 記録されていないリアル劇

って感じかな?ちょっと無理矢理出してみた感じがするけど。

最初、なんで休憩があるんだろうと思った。俺は2時間半ぐらいトイレは我慢できるぞ〜と思っていたんだが、どうやらそれは違うんだろう。ミュージカルを1時間踊り続ける俳優さん・女優さんたちは、どう考えたってかなり疲れるに違いない。あの休憩は、彼らのためにあるんだと思う。とはいえ、その休憩に入ったとたんに女性陣が一気にトイレに向かった様は、かなり怖い物があった。っていうか、かなり異様な感じがする。

さて、映画と演劇を比較していて一番面白いと感じるのは、やっぱり「ライブ感」であろう。見ている観客と舞台との一体感は、映画ではありえない。どんなに感動できる映画でも、どんなに派手なアクションでも、やっぱり観客は観客、映像は映像であって、まったく別なものだからだ。

でも、演劇の場合は舞台以外に客席の通路や客席の上も、その表現に使い出す。場所によっては目の前、あるいは直ぐ隣で俳優たちが自分たちをその世界へと誘ってくれ、気が付くとその世界で興奮している自分に気が付く。演劇というのは、やはりライブ感がたまらない。

そのライブ感に関係あることだが、映画と違うのはアップがないことだ。つまり、映像として切り出されたシーンではなく、舞台セットそのものが全てシーンであるという点がとても面白い。だから、喋っている人や、中心で演技をしている人以外の場所でも、それぞれの俳優たちがさまざまな演技を続けている。それは注目される物もあれば、注目されないものもある。私はその、注目されない演技の方が特に好きなわけで、もう見ている間にあっちこっちと視線を走らせ、影の方で微妙な演技をしている人を見つけてはニヤニヤと喜んでいた。かなり変な趣味ではあるが、それが出来るのも演劇の楽しみだ。そういう意味では何度観ても、きっと違う興奮がそこにあるんじゃないかと思う。

個人的に、やはり演劇を観る上では、ジャンルは選びたいと思う。それぞれ個人の好みがあるので、一概にこれがベスト!という事はもちろんないんだが、私の好みとしては「楽しい物」だと感じた。映画はさまざまな物を観てきたが、演劇に関しては「楽しい物」を選んで見ていきたいと思った。


もっとも、映画に比べてチケットの値段が高いものだから、気軽に行けるものではない・・・わけなんですが。残念ながら。